
皆さま,こんにちは!台北事務所派遣員の三田村と申します。
早いもので,台北に来てからあっという間に1年半以上が経ちました。
台北に来てから,休日に市内を散歩することが好きで,よくぶらぶら街歩きをしています。
ビジネスビルが建ち並ぶ都会な雰囲気に圧倒されたかと思えば・・・
タイムスリップしたかのような,老街(オールドストリート)の懐かしい雰囲気に引き込まれたり・・・
台北の様々な一面に,まだまだ困惑する日々です。
外出の際には,MRTを頻繁に利用するのですが,台湾では気軽に郊外へハイキングに行けるほど,MRTやバスなど,公共交通網が発達しています。
MRT路線が発達していて,乗り換えもシンプル,利用料金がお財布に優しいこと,悠遊カード(Easy Card/イージーカード)が可愛いことももちろんですが,私が一番魅力的に感じることは,MRT構内に散りばめられたアート!
そこで今日は皆さまに,台北MRT駅構内をいくつかご紹介させていただきたいと思います!
●MRTとは?
台北MRT構内を紹介する前に,MRTについて,簡単にご説明させていただきます。
MRTとはMass Rapid Transitの略で,一般的に「地下鉄」のことを指します。
台湾には他にも「捷運」という,台湾で使用される独自の単語があります。
ちなみに,中国大陸では「地铁」という単語が一般的です。
台北MRTは現在,台北市内を中心に東西南北へ6路線走っています。
今年2020年1月末に,新たに環状線(黄色線)が開通し,通勤・通学など,台北市や周辺地域で生活する人々の移動がより便利になりました。

(路線図は「台北捷運(MRT)公式モバイルサイト」より)
●台北MRT構内を観察!
それでは早速,台北MRT構内の様子を簡単にご紹介します!
▼構内の壁画
1月頃に撮影したものです。
電光装飾が冬の季節を感じます。
▼勝負運・商売の神様で有名な行天宮の駅
▼ユニークなオブジェもたくさんあります!
電車が来るまで,こちらに座ってひと休み・・・(台大醫院駅)
▼二つの手がきつく結び合っている様子は,MRTの車両同士の接続が外れないように・・・という意味が込められているそうです(台大醫院駅)
▼温泉で有名な北投駅。
岩場に登って遊んでいる子供たちが,歓迎しているようですね!
▼まるで名建築のような天井!(龍山寺駅)
▼個人的には,下の写真のような乗車マナーを呼び掛けるイラストが多いことも魅力的だと感じます。
小さなお子様にも分かりやすい伝え方ですし,大人が見ても,ほっこりしますね。(台湾の方は,柴犬がお好き

)
▼優先エレベーター(:博愛電梯)にも,どんな人が優先利用できるかを示すため、ベビーカーを押す人、けがをしている人のイラストが描かれています
このように,台北のMRT構内にはユーモアに溢れたつくりが多く見られます!
実は,台湾では1992年に「文化藝術獎助條列(文化芸術奨励条例)」という法律が制定され,「1% FOR ART」という,公共建築の建設費の1%を,芸術やアートの分野に充てる,という取り組みがいち早く行われているのです。
今回紹介するMRTの他にも,公園や学校など,台湾の街中では至る所でアート作品を楽しむことができます。
政府を挙げて,台湾アートの発展に力を入れているのですね!
では,早速,台北MRT構内をいくつか紹介させていただきたいと思います!
●おすすめ駅その1「まるで小さな史料館!北門駅」
駅名の由来にもなっている「北門」は,かつて存在した台北城を囲む城門の一つとして建城されました。
ここ北門駅一帯は,「台湾現代化の起点」と呼ばれており,北門の建城後,それまで水路に頼っていた人や物資の運輸経路に,新たに陸路を創設し,台湾初の鉄路が誕生した場所でもあります。
▼台湾の鉄路と現代化の歴史が紹介されています。
▼台湾の現代化に伴い整備された,当時の下水道系統の一部分などが,床を活用して展示されています。
▼また,この一帯では,当時日常生活で使用されていた陶器茶碗や薬瓶などが多く発見されています。
中国大陸の福建省や広東省,また陶磁器で有名な日本の瀬戸・美濃地区の製品も見受けられるそうです。
台湾現代化の起点ということもあって,この一帯で生活していた人たちは,早い時期から海外からの生活用品を活用していたのですね!
●おすすめ駅その2「パラパラ変わるユニーク壁画!台北101/世貿駅」
台北の有名な観光名所の一つ,台北101に隣接する駅。
周辺は世界貿易センターなど,オフィスビルも多く,台北のビジネスの中心的な場所です。
そんな,慌ただしく人が行き来する駅構内で,一際目を引くアート作品がありました。
▼パラパラとパネルが回転し始め・・・
▼別の顔の写真に!
▼少し分かりにくいですが,構内の天井にもパラパラアートが設置されていました。
▼駅構内の壁には,この作品にまつわる紹介が書かれた展示があり,3秒ごとに次のページがめくられていきます(私には少し早く,読解のスピード不足がここで痛感できました・・・

)。
▼地上へ抜ける出入口のエレベーター付近に,現在の外の天気を表す電光パネルが!
通勤ラッシュの時間帯は,地上に出るまでの間に傘の準備ができ,出入口付近での人溜まりが解消できそうですね。
●おすすめ駅その3「蛙の家族と一休み。大安森林公園駅」
草木が豊かな緑溢れる大安森林公園。
昼も夜も,散歩やジョギングを楽しむ市民の姿が多く見られます。
そんな台北のオアシスに直結する,大安森林公園駅は,2015年に世界不動産連盟より「全球卓越建設獎(World Prixd’Excellence Awards)」という,公共インフラ・アメニティカテゴリー部門で金賞を獲得し,台湾の地下鉄が世界で注目を浴びるきっかけにもなりました。
▼MRT構内は美術館のような洗練されたデザイン・・・!広々とした憩いのスペースもあり,談笑する学生や,読書をしたり,パソコンで作業する人など,色々な用途で活用されています。
▼何とも自然な様子で,人々に馴染む,カエル
のオブジェを発見!
▼「まあ,座ってよ・・・」と声を掛けられている気がします。
▼駅構外では平日10時~20時まで,休日9時~21時まで1時間に1回,10分ほどのショーが行われます。(※毎月第一月曜日は,設備点検のためショーはお休みです)
少し見にくいですが,中心にいるカエルがショーを指揮しています。
▼公園に隣接するMRTらしく,自然や草木をイメージした壁画アートも素敵です。
▼手前から,春・夏・秋・冬と四季を表現しているように感じます。
▼駅の出入口も,まるで教会のよう!赤,黄色,青,緑,紫・・・とライトアップも変わっていきます。
●おわりに
ここまでご拝読いただき,誠にありがとうございました!
皆さんも台北MRTを利用される際は,ぜひ構内のアートにも注目されてみてくださいね!
今後も,台湾の街角でみかけた,ときめきスポットを紹介させていただきます!
このブログを書いたのは…

三田村康夏・台北事務所派遣員
好きな台湾グルメは,臭豆腐,鴨血,水蓮の炒め物