(1)
2021年における日台間の人的往来は、新型コロナウイルス感染症による水際対策措
置が日台双方で継続したこと等により、訪台日本人が対前年比96.3%減、対2019
年比99.5%減の10,056人(台湾交通部観光局統計)、訪日台湾人も対前年比99.
3%減、対2019年比99.9%減の5,016人(日本政府観光局統計)と、引き続
き制限された状態にある。
(2)
日本と台湾との地方自治体間交流について、新型コロナウイルスの影響で日台の往来が
困難な状況にありながらも、2021年には、京都市と台南市、京都市と高雄市、福岡県
田川市と新北市平渓区、静岡市と台北市士林区、鳥取県若桜町と新竹県横山郷との間で交
流提携関係が結ばれた(当協会調べ)。
参考:
日本の自治体と台湾の姉妹(友好)都市交流等一覧
(3)
台湾から多大な支援が寄せられた東日本大震災から10年の節目となった2021年、
台湾に改めて謝意を伝えるとともに日台の友情を深めるため、2020年12月に発表し
たオリジナルの広報ロゴ「日台友情ロゴ」を活用し、2021年の1年間、台湾において、
台湾側の協力も得て「日台友情」をテーマとする一連の活動を実施した。文化・スポーツ
交流面では、2021年7月から9月にかけて東京2020オリンピック・パラリンピッ
ク競技大会が開催され、オリンピック開会式での台湾入場アナウンスや台湾選手が史上最
高の12メダルを獲得したこと等が、日台双方で大きく注目された。また、台湾を対象と
するホストタウン数は世界最多の28自治体に上った。
(4)
経済面でも日台は互いに非常に重要なパートナーである。日本側統計によれば、202
1年の日台間貿易総額は9.7兆円と昨年を大幅に上回り、過去最高を記録し、中国、米
国に次ぐ第3位の貿易相手である。我が国の2021年の対台投資においては、金額ベー
スでは7.3億ドル、件数ベースでは231件と、前年を下回る結果となった。主な投資
案件は、日系電機メーカーによる同社台湾法人への大型増資、日系不動産会社による同社
台湾法人への増資等があげられる。
(5)
日台間の市民感情は引き続き良好である。当協会が2022年1月に台湾において実施
- 9 -
した調査では、「最も好きな国」の1位は日本であり、過去最高の60%に達した。また、
駐日台北経済文化代表事務所が2021年11月に日本国内で行った世論調査でも、日本
人の75.9%が台湾に「親しみを感じる」と答え、また71.4%が日台関係を「良好」
と答えた。
(6)
2015年に米台間で立ち上げられた人材育成の枠組みである
グローバル協力訓練枠組み(GCTF)への当協会の共催参加は、3年目に入り、2021年は「国土強靱化」、
「サプライチェーン」、「ワクチン接種」など計13件のオンラインセミナーを共催した。
また、12月には、2022年のセミナー計画案などを議論する合同委員会を当協会が初
めて主催し、委員会開催後には共同声明を発表した。GCTFには日米台のほか、豪州も
「フルパートナー」として共催に加わり、GCTFの活動はますます発展している。
(7)
新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大が継続するなか、台湾でワクチンが不足し
ていた6月から10月にかけて、日本は台湾にアストラゼネカ製ワクチンを計6回、42
0万回分供与し、台湾のワクチン接種率の向上に大きな役割を果たした。また、台湾側の
協力も得た上で、10月から約4か月台湾の在留邦人向けワクチン接種事業を実施し、延
べ2400回分以上の接種を行った。日本での感染拡大を受け、9月から10月にかけて、
台湾からも日本に酸素濃縮装置約1,000台及びパルスオキシメータ約10,000台
が寄贈されるなど、コロナ禍においても良好な日台関係の深化を見せている。
(8)
福島等5県産食品輸入規制について、2022年2月8日、台湾当局は日本産食品への
輸入規制措置の見直しを発表し、同月21日から正式に実施した。これにより、これまで
台湾で輸入が認められていなかった福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の多くの農
水産物・食品が台湾に輸出可能となった。
参考:
日本産食品
(9)
令和3年春及び秋の外国人叙勲において、王金平氏(旭日大綬章)、何美玥氏(旭日重光
章)、蔡清彦氏(旭日中綬章)、蔡焜霖氏(旭日双光章)、楊明風氏(旭日双光章)及び林善超氏(旭日双光章)の6名の方々が受章された。
令和3年春の外国人叙勲における台湾の受章者
令和3年秋の外国人叙勲における台湾の受章者
(10)
令和3年度日本台湾交流協会表彰において、春山明哲・早稲田大学台湾研究所招聘研
究員、小椋和平・一般財団法人台湾協会理事長及び片倉佳史・武蔵野大学客員教授の3名
の方々が受賞された。
令和3年度日本台湾交流協会表彰