中央銀行は11 月24日、最新のマネーサプライを発表した。これによると、10月のM1Bの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+14.94%と直近11ヶ月の最低水準となった。M2の対前年比伸び率(期中平均ベース)は+8.45%に低下した。1月~10月のM1B及びM2の対前年比伸び率はそれぞれ+16.9%、+8.84%となり、10月のM1B及びM2の日平均残高はそれぞれ24.37兆元、53.03兆元に増加し、両方とも過去最高額を更新し、国内の資金が依然として潤沢であることを反映している。
中央銀行の担当者は、「10月のM1Bの対前年比伸び率が低下した原因は主に、外資の純流出、銀行の貸出及び投資の減少によるものである。一方、M2の対前年比伸び率が低下したことは主に五つの要因があり、外資流出の増加及び銀行貸出及び投資の減少のほか、第一に銀行による民間部門への債権減少、第二にパソコン・電子業者による銀行借入返済の増加、第三に大型企業(例:TSMC)の資金調達が銀行借入から社債発行に変わったこと、第四に銀行間コールローンの減少、第五に国庫署による銀行借入の返済によるものである」と分析した。
中央銀行の担当者は、「10月の銀行貸出及び投資は9月末の+8.45%から+8.17%に低下した。これは主に、銀行による民間部門及び政府部門への債権の減少によるものである。これに生保会社の貸出及び投資、金融機関の延滞債権及び貸倒金を加えた金融機関全体の貸出及び投資は前年同月比+6.9%となった」と指摘した。
10月の普通預金残高は21.75兆元に増加し、24ヶ月連続して最高額を更新したものの、年増率では+15.03%と9月の+15.57%に比べ、0.54%ポイントの減少となった。これは主に、貯蓄預金の減少によるものである。中央銀行の担当者は、「貯蓄預金の減少は新型コロナウイルス感染情況の緩和に伴う消費拡大、特に五倍券の発給が消費の大幅増加をもたらしたことにつながるが、銀行決済にはタイムラグがある」と説明した。
また、10月の外貨預金残高について、9月は前月比1.798億元増加の7兆1.113億元と過去最高となったが、10月は前月比30億元減少の7兆1.083億元となり、依然として高水準を維持した。これについて、中央銀行の担当者は、「これは主に、輸出活況の持続、業者による海外買掛金支払の増加、輸出業者による外貨借入返済の増加、生保及びファンド業者による海外投資の増加によるものである」と強調した。
金融動向
(注)
*M1A:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の当座預金および流動性預金残高の総額。
*M1B:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1Bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。