中央銀行8 月24日、最新のマネーサプライを発表した。これによると、7月のM1Bの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+6.67%となり、M2の対前年比伸び率(期中平均ベース)は+6.99%とそれぞれ直近3年半、2年での最低となったほか、4.5年ぶりのデッドクロス(M1bがM2を下回り、資金不足による株価暴落を引き起こす可能性がある状態)となった。1~7月のM1B及びM2の対前年比伸び率はそれぞれ+9.49%、+7.76%となった。中央銀行の担当者は、「M1bは普通預金及び株式市場動向につながっており、M2は定期預金及び外貨預金の変動を反映している。近年において、法人や個人の資金調達ルートは多元化、円滑であるため、M1b及び M2両者の差という指標の参考価値はなくなりつつあり、また、基準値の高低は年増率の増減にも左右する。7月のM1B及びM2の対前年比伸び率はそれぞれ前月比▲1.41%ポイント、▲0.66%ポイントとなったことは主に、外資の純流出、銀行貸出及び投資の減少によるものである。7月の銀行貸出及び投資は前月比▲0.11%と+6.85%(6月)から+6.56%に減少した。これは主に、金融機関による民間部門及び政府部門の債権(国債)の減少、銀行貸出及び投資の減少、税収増加による政府借入の返済、大型国営事業の商業小切手引受けの減少によるものであり、加えて個人住宅ローンの減少、7月の現金配当支給のためによる銀行商業手形受取の減少、株価暴落による投資の減少などにより、7月のM1b、及びM2対前年比伸び率の減少につながった」と述べた。
預金残高の変動からみると、7月の普通預金残高は22兆7,898億台湾元、前年同月比+6.84%と6月(+6.43%)を上回り、金額ベースでは過去最高額となった。一方、定期預金残高は15兆1,838億台湾元、前年同月比+3.82%と6月(+4.95%)を下回った。これについて、中央銀行の担当者は、「普通預金が増加した原因は主に、企業が巨額な現金配当支給のために資金を定期預金から普通預金にシフトし、また、個人は貰った現金配当を一時的に普通預金に預けたことによるものである」と説明した。
(注)
*M1A:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の当座預金および流動性預金残高の総額。
*M1B:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1Bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
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