経済部統計処は3月23日、最新の工業生産動向を発表した。これによると、最終需要の持続的な拡大、サプライチェーン分断問題の緩和、加えて半導体生産の持続的な活況により、2月の工業生産指数及び製造業生産指数は前年同月比それぞれ+10.01%、+10.16%と両方とも25ヶ月連続のプラス成長となった。
業種別についてみると、情報電子産業について、2月の電子部品業は156.71、前年同月比+17.14%と27ヶ月連続して二桁の成長となり、製造業生産指数の成長に大きく寄与した。これは主に、高速演算、IoT、自動車用電子機器など新興科技に用いる関連チップへの需要増加、及び半導体業者による生産規模の拡大、加えて大型パネルが商用、工業コントロールシステム用、健康医療用などの持続的な需要増加による増産によるものである。このうち、積体電路業生産指数は180.42、前年同月比+20.17%と28ヶ月連続して二桁の成長となり、指数として同月で過去最高となった。
黄偉傑・経済統計処副処長は、「2月は旧正月及び2月28日の和平記念日による連休によって稼働日数の減少が減産をもたらしたものの、2月の工業生産指数は117.49、製造業生産指数は119.76に増加し、指数として同月で過去最高となった」と述べた。また、今後の展望について、黄・副処長は、「ワクチン接種率の増加に伴い、世界各国が次々と水際制限を緩和し、最終市場の需要拡大に一助となるほか、5G、高速演算、IoT、自動車用電子機器などのデジタル新興科技応用の持続的拡大、及び企業のデジタル化への持続的な転換、国内半導体業者による生産規模の拡大などは台湾製造業の増産を押し上げる見込み」との見方を示した。
経済部の予測によると、3月の製造業生産指数は143.99~147.99で推移し、年増率が+3.4%~+6.2%となる見込み。昨年同期の基準値が高かったものの、今年の第1四半期の製造業生産指数は134.63~135.97、年増率が+7.2~+8.3%と過去最高となる可能性がある。一方、黄・副処長は、「変異株コロナの脅威により、サプライチェーンの分断、及び貨物用港湾の混雑などの不確定要素は依然として存在し、加えてロシア・ウクライナ戦争が世界的なインフレ圧力を増加させ、経済成長力に頭打ちとなる恐れから、生産面への影響に引き続き密切に観察すべき」と強調した。
工業生産指数の前年比伸び率(製造業業種別)