中央銀行9 月23日、最新のマネーサプライを発表した。これによると、8月のM1Bの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+7.55%となり、M2の対前年比伸び率(期中平均ベース)は+6.93%と7月のデッドクロス(M1bがM2を下回り、資金不足による株価暴落を引き起こす可能性がある状態)から「ゴールデンクロス」(株式市場資金の潤沢を表す)に好転した。1~8月のM1B及びM2の対前年比伸び率はそれぞれ+9.24%、+7.66%となった。M1Bの対前年比伸び率が上昇した原因は主に、普通預金の増加によるものであり、M2の対前年比伸び率が低下した原因は主に、外資の純流出によるものである。
個人投資家の資金動向を表す8月の証券振替決済預金残高は3兆2,270億台湾元と過去最高額となり、資金供給の潤沢が株価の反騰にプラスとなることを示している。証券振替決済預金残高について、昨年5月から3兆台湾元の大台を突破し、12ヶ月持続していたが、今年5月に3兆台湾元台を割り、6月は減少趨勢が継続したが、7月に大幅増により3兆台湾元台に再び戻り、8月の残高は前月比1,209億台湾元の増加となり、過去最高額を更新した。
楊金龍・中央銀行総裁は、「今年の金融政策について引き続き引締め基調を取り、今回の銀行の預金準備率を0.25%ポイント引上げたことにより、M2の対前年比伸び率は+2.5%~+6.5%となり、+4.5%あたりの中間値を維持することがベストである。」と述べた。
中央銀行の担当者は、「今年の株式現金配当は7月、8月に集中し、個人投資家は現金配当を受け取った後、一部を他の定期預金にシフトせず、証券振替決済預金にストックし、次の投資機会を待っていることは証券振替決済預金残高の大幅増につながった」と説明した。
8月の月平均の株価指数は前月比552ポイント上昇の15,118ポイントとなったものの、日次平均の株式取引高は1,897億台湾元と2,000億台湾元台を割った。8月末の株式融資残高は前月比62億台湾元増加の2,545億台湾元となった。これは主に、8月の株価指数は前半の上昇から下落に反転したことによるものである。
8月の外資による株売り越し額は1,189億台湾元に拡大し、且つ外資の元金及び投資収益を合わせた外資の海外送金額は80億米ドルとなった。これにより、8月の外国人による台湾元建て預金残高は前月比184億元減少の2,729億台湾元となり、前年同月比+2.9%に大幅低下した。
中央銀行の担当者は、「域内資金は依然として潤沢であり、流動性も十分であることから、資金供給に問題はない」と強調した。
(注)
*M1A:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の当座預金および流動性預金残高の総額。
*M1B:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1Bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
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