経済部統計処は6月23日、最新の工業生産動向を発表した。これによると、5月の工業生産指数は110.18、前年同月比+1.51%と4ヶ月連続のプラス成長となり、同月で過去二番目の高水準となった。また、製造業生産指数は110.44、前年同月比+1.68%と同月で過去二番目の高水準となった。これは主に情報電子業の増産が寄与したことによるものである。
王淑娟・経済部統計処副処長は、「5月の工業生産が継続してプラス成長となったことは、主に遠距離サービスビジネスの持続的な拡大、ハイエンド半導体生産の持続的な増産が情報電子産業の増産をもたらしたことによるものである。一方、伝統産業は新型コロナウイルスの感染拡大、世界経済の減速、国際原材料価格の暴落を受けて減産となった」と説明した。
情報電子産業については、電子部品業が前年同月比+22.15%と製造業生産に大きく寄与した。このうち、積体電路業は同+36.01%となった。これは、主に5G通信や高速演算応用の持続的拡大に加えて、遠距離サービスへの需要増加がウェハーの委託生産、DRAMなどの増産をもたらしたことによるものである。
液晶パネル及びその部品業はノートパソコン、タブレットなどへの需要増加により、前年同月比+6.15%となり、パソコン電子産品及び光学製品業は同+9.8%となった。これは、主に新型コロナウイルスの感染拡大を受けた遠距離サービス産業への需要増加、企業による生産ラインの台湾移転がサーバー、ノートパソコン、ネット通信設備及びパソコン部品などの増産をもたらしたことによるものである。一方、モバイルレンズはスマホへの需要減少を受けて、一部の増加幅を相殺した。
6月の製造業生産は前年同月比+2%~+6%、第2四半期の製造業生産指数は+2%~+6%で推移し、引き続き成長トレンドを維持しているものの、米中間の科学技術競争、ポストコロナの経済動向などの不確実性が台湾の製造業生産に影響を与える見込み。
王・副処長は、「今年上半期の電子部品業は例年を上回り、下半期が生産ピークに入る。5G及び新興応用関連の産業の増産が下支えとなることから、2020年の電子産業全体はプラス成長となる見込み。一方、伝統産業は、新型コロナウィルスの感染拡大による需要減少、国際原材料価格の低迷により、紡績業、自動車及び部品業、石油及び石炭製品業、金属製品業、機械設備業はそれぞれ同▲35.38%、▲29.52%、▲28.17%、▲18.44%、▲15.37%といずれも二桁の減少となった」と述べた。
今後を展望すると、統計処の担当官は、「新型コロナウィルスの感染が緩和し、各国によるロックダウンの解除に伴い、経済活動が徐々に再開し、世界経済の回復に加えて、5G通信、高速運算、AIなどの新興科学技術への需要の拡大、遠距離サービスを利用した教育、ビジネスへの需要増加により、情報電子産業の生産が引き続き増加し、製造業生産の成長に大きく寄与する」との見方を示した。
工業生産指数の前年比伸び率(製造業種別)