中央銀行は11 月24日、最新のマネーサプライを発表した。これによると、10月のM1b対前年比伸び率(期中平均ベース)は+12.85%と2010年7月以来の最高水準となった。これは主に、株式市場の活況、10月の普通預金残高が18.91兆元と12ヶ月連続して最高額を更新したことによるものである。10月のM2の対前年比伸び率(期中平均ベース)は前月比0.1%ポイント減少の+7.05%となった。両者の差は122ヶ月で最大の差となった。
中央銀行の担当者は、「M2の対前年比伸び率が前月より下落した原因は主に、外貨預金の伸び悩みによるものであり、10月末の外貨預金は6.67兆元の増加と過去最高となったものの、前年比では+10.51%と直近5ヶ月で最小の増加額となった。」と説明した。
1~10月のM1b及びM2の対前年比伸び率はそれぞれ+9.33%、+5.4%となり、マネタリーベースは+8.11%となった。中央銀行の担当者は、「台湾の長期的に潤沢な資金供給、流動性の高さ、投資家による経済面への高いマインドにより、世界において経済成長率がプラスとなる数少ない国である。足元のM1b及びM2 の日平均残高はそれぞれ21.06兆元、48.69兆元と長期以来の高水準を維持している。これは、株式市場の今後の活況に有利となることを示している」と述べた。
株式市場の活況により、個人投資家の証券投資動向を反映する10月の証券振替決済預金残高は前月比341億元の増加となった。個人投資家による株式投資比率が61.5%と前月(61.1%)を上回ったほか、外資による株式投資比率も28.7%まで上昇した。従って、10月の定期預金残高は前月比173億元の減少となった。一部の定期預金が普通預金にシフトし、株現金配当(10月953億元)の支給、外資流入(20.64億米ドル)により、10月の普通預金は前月比2,648億元の増加となった。
中央銀行の担当者は、「10月は、米国大統領選挙、及び欧米新型コロナウイルス感染再拡大により、国際株式市場の変動が大きくなっている一方、台湾の株式市場が継続的に活況を維持している。その主な要因は、台湾のコロナウイルス対策が奏功していること、半導体及び電子業が生産好調なこと、投資家による株式市場への高いマインド、外資の持続流入による株投資などによるものである」と説明した。
金融動向表
(注)
*M1a:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の当座預金および流動性預金残高の総額。
*M1b:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。