中央銀行は8月5日に最新の外貨準備高統計を発表した。これによると、7月末の外貨準備高は前月比11.52億米ドル減少の5,478.11億米ドルと2ヶ月連続の増加が止まった。蔡炯民・中央銀行外為局長は、「7月の外貨準備高が変動した原因は主に、ユーロなどの主要通貨の対米ドルレートの変動による米ドル換算後の資産価値の増減、投資運用収益の増加、及び為替市場の安定を維持するための市場介入によるものである」と説明した。
統計によると、7月の国際間における米ドル指数は+1.16%の上昇となったものの、米ドル以外の主要通貨の対米ドルレートは増価したものが多く、具体的には、ユーロ▲2.26%、人民元▲0.72%であった一方、日本円+2.61%、オーストラリアドル+1.7%、イギリスボンド+0.55%、カナダドル+0.67%となった。
蔡・局長は、「7月において、中央銀行は為替市場の秩序を守るためにドル売り介入を行い、結果として外貨準備高の減少につながった。証券取引所の統計によると、7月の外資による株売り越し額は177億台湾元となったものの、外資の元金及び投資収益を合わせた外資の海外送金額は約80~90億台湾元に過ぎなかった。供給面において、輸出業者によるドル売り需要の減少を背景に、中央銀行は台湾元レートの安定を図るため、ドル売り介入を行った。外資による再投資或いは海外送金は依然として市場の需給バランスに影響を与えている」と述べた。
7月の外資の元金及び投資収益を合わせた外資の海外送金額は比較的に多かったものの、3月(100億米ドル)を下回り、4月80億米ドル、6月50億米ドルの流出、5月は10億米ドルの流入となった。8月に入ってからは両岸関係の緊張の高まりにより、外資による海外送金額が増加し、為替市場の取引高は約20億米ドルと大きな反応を見せた。蔡・局長は、「当行は台湾元レートの動態的な安定を守る立場は変わらず、為替市場の変動が大きく、需給面のバランスが崩れた場合、直ちに市場介入を行う。例えば6月の株式市場が暴落し、外資が大量流出したのに対し、当行は市場介入を行ったが、直近3ヶ月の為替市場は様子見となり、取引が減少基調となった」と述べた。
7月末の外資企業による国内株式・債券保有額(時価ベース)、及び台湾元預金残高の合計額は前月比86億米ドル増加の5,379億米ドルと外貨準備高に占める割合は前月比2%ポイント増加の98%となった。これについて、蔡・局長は、「7月の外資は株売却後の収益を海外に送金したことは7月の株価指数(174ポイント)が上昇し、外資の資産価値の増加を反映した」と説明した。
足元の世界ランキングでは、台湾の外貨準備高は依然として4位を維持した。1位中国(6月末3兆713億米ドル)、2位日本(7月末1兆2,026億米ドル)、3位スイス(6月末8,887億米ドル)、インドは5,101億米ドル(7月22日まで)と5位となった。
外貨準備高・為替レートの推移