中央銀行は6月24日、最新のマネーサプライを発表した。これによると、5月のM1b及びM2の対前年比伸び率(期中平均ベース)はそれぞれ+7.81%、+4.18%となった。これについて、中央銀行の担当者は、「新型コロナウィルスの影響が緩和し、各国は次々とロックダウンを解除し、経済活動再開となり、金融市場の不安も緩和し、株式市場が10,000ポイント台を突破し、上昇基調となることから、個人投資家の証券投資動向を反映する5月の証券振替決済預金は前月比521億元増加の2.32兆元となり、7ヶ月連続して過去最高を記録した。5月は、個人投資家による株式投資比率が63.4%と4月(63.6%)を下回ったが、外資による投資比率は26.3%と4月(25.2%)を上回った。5月の外資による株売越し額は1,571億元となり、海外送金額は33.93億米ドルとなったことは、M2の対前年比伸び率の低下に反映した。
中央銀行の担当官は、「5月の全体の普通預金残高は前月比1,492億元増加の17.69兆元と引続き過去最高を更新した。これは主に、株式市場の活況、中央銀行の政策金利の引下げに伴う定期預金金利の引下げにより他の預金から普通預金にシフトし、株式投資の機会を狙う効果、ネット銀行の高金利預金が普通預金を吸収したことによるものである。このうち、資金調達やシンジケートローンの償還などにより、企業の普通預金残高が明らかに減少した。5月の定期預金残高は前月比89億元増加の14.42兆元となった。外貨預金残高は前月比495億元増加の6.33兆元と引続き過去最高を記録した。これは主に、企業の外貨借入、銀行による高金利の外貨預金の実施によるものである」と述べた。
潤沢な資金供給と流動性、株式市場のファンダメンタルズの堅調さ、高い投資利回りなどにより、台湾株式市場は外国人投資家の高い評価を受けている。今後、株式市場は活況を維持し、定期預金金利の利下げにより、定期預金から普通預金にシフトするトレンドとなっている。
(注)
*M1a:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の当座預金および流動性預金残高の総額。
*M1b:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
金融動向表