中央銀行7 月25日、最新のマネーサプライを発表した。これによると、外資の純流出、貸出及び投資の伸び悩みにより、6月のM1Bの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+8.08%となり、M2の対前年比伸び率(期中平均ベース)は+7.65%となった。1~6月のM1B及びM2の対前年比伸び率はそれぞれ+9.97%(2020年6月以降の最低)、+7.89%(2020年12月以降の最低)となった。
蔡恵美・経済研究処副処長は、「外資の純流出がM2の対前年比伸び率に影響を与えたほか、最近、金融市場の変動に加えて利上げにより、民衆が資金を普通預金から定期預金にシフトし、且つ6月の株価の暴落による証券振替決済預金残高の減少、税申告がM2の急減をもたらし、域内資金が従前のように潤沢ではなくなったことを示している」と述べた。
6月の月平均の株価指数は15,889ポイントと5ヶ月連続の下落となったほか、直近1年半での最低水準となった。6月の株式融資残高は2,711億台湾元となり、4ヶ月連続の減少と直近1年半での最低となった。
蔡・副処長は、「6月の証券振替決済預金残高は前月比393億台湾元減少の2兆9,347億台湾元と4ヶ月連続の減少となったほか、直近1年半の最低となった。これは個人投資家よる株式投資が減少したことを示している。今年に入り、多く世界主要経済国の中央銀行は利上げを行い、株式市場に影響を与えつつ、取引高も減少トレンドとなった。6月の株価は下落した日が多く、6月の月平均の株価指数は前月比303ポイントの下落となった。これは主に、外資よる株売越し額が2.190億台湾元となり、個人投資家による株式投資比率は56.3%と2020年4月以来の最低となったことによるものである」と指摘した。
輸出受注の活況による輸出成長の続伸により、外貨預金残高は前月比1,120億台湾元増加の7兆8,895億元と過去最高額を更新した。これについて、蔡・副処長は、「6月の輸出は前年同月比+15.2%と5月(+12.5%)を上回った。また、外貨収入の増加は外貨預金残高の増加を押し上げ、また、ドル高台湾元安により、企業が手元の外貨預金を台湾元に両替し、残高の増加につながった」と指摘した。
(注)
*M1A:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の当座預金および流動性預金残高の総額。
*M1B:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1Bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
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