行政院主計総処は11月22日、最新の労働力調査を発表した。これによると、ビジネス活動の再開により、10月の失業率は対前年同月比3.83%に改善し、直近6ヶ月での最低水準となった。
陳恵欣・国勢調査副処長は、「今年5月から警戒レベル3を実施して以降、労働参加率は59%台を割ったが、新型コロナウイルス感染状況の緩和に伴うビジネス活動の再開により、10月の労働参加率は59.02%と半年ぶりに最高となった。これは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた労働市場が持続的に回復していることを反映している。5月~6月の就業者数は22.3万人の大幅減少となったが、感染状況の緩和により、7月~10月の就業者数は14.4万人の増加に好転し、警戒レベル3実施の過去数か月の一時的な失業者は次々と職場に復帰したことを反映している。また、宿泊・飲食レストラン業、教育業、その他サービス業の就業者数とも前月比3,000~6,000人の増加となった。一方、卸売・小売業は前月比2,000人の減少となった」と述べた。
労働参加率、及び就業者数の増加により、10月の失業率が改善し、直近5ヶ月(6月4.80%、7月4.53%、8月4.24%、9月3.96%、10月3.83%)連続して改善となった。労働市場が明確に改善したものの、警戒レベル3実施前の4月に比べ、就業者数は8万人近くの減少となり、また、10月の失業率は4ヶ月連続して改善となったものの、同月では直近5年間の最高となった。これについて、陳・副処長は、「労働市場が漸次に改善したものの、警戒レベル3実施前の水準に戻っていないが、年内に就業状況は引き続き改善する見込み」との見方を示した。
労働部の担当者は、「新型コロナウイルス感染状況の緩和、政府による振興五倍券策の施行により、民衆の外出消費や国内旅行の意欲を高め、加えてネットショップによる双11節(11月11日)及び旧正月向けの販促イベントの実施が民間消費を促すことから、「運輸及び倉庫業」の求人需要は急増した。統計によると、10月の運輸及び倉庫業の新規求人者数は4,159人と前月比+47%、前年同月比では2006年以降の最高となった。このうち、「運輸事務員」、「大型貨物車運転手」、「バイク、小型車、小型貨物車運転手」、「生産事務員」への求人者数が最多となり、合計した運輸及び倉庫業の求人者数は全体の56%となった。
労働力発展署の統計によると、10月の各公立就業サービス機関に登録した新規求職者数は5.9万人、前月比▲10.08%となり、新規求人者数は10.3万人、前月比+4.97%となり、求人倍率が1.76倍となった。すなわち、求職者一人当たりで約1.76件の就労機会があることを示している。
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