経済部統計処は11月23日、最新の工業生産動向を発表した。これによると、10月の工業生産指数は130.77、前年同月比▲3.56%となり、製造業生産指数は132.78、前年同月比▲3.40%といずれも同月で過去2番目の高水準となったものの、2ヶ月連続のマイナスとなった。
業種別にみると、情報電子産業について、世界的なブランドスマホ新商品発売前による在庫補填の増加、加えて高速演算、自動車用電子機器などのための応用チップへの需要増加が12インチウェハー委託生産の増産をもたらしたことから、電子部品業は172.23、前年同月比+2.09%とマイナスからプラスに転じ、指数として同月で過去最高となった。このうち、世界的なブランドスマホ新商品発売前による在庫補填の増加、高速演算などの応用チップへの需要増加により、積体電路業指数は217.82、前年同月比+14.28%と36ヶ月連続プラス成長となり、指数として同月で過去最高となった。一方、液晶パネル及びその部品業は同▲53.64%と7ヶ月連続のマイナスとなった。
また、クラウドサービスへの需要増加にかかる関連設備への需要増、原材料不足問題の緩和、業者による域内生産の拡大がサーバー、ノートパソコン、ネット通信設備、パソコン設備備品などの増産を押し上げたことから、パソコン電子産品及び光学製品業の生産指数は213.25、前年同月比+13.53%と33ヶ月連続のプラス成長となり、指数として同月で過去最高となった。
伝統産業について、最終消費の減少、在庫調整の持続、設備投資の減速、業者による減産措置の実施により、化学原材料業、基本金属業はそれぞれ▲22.15%、▲21.14%といずれも11ヶ月連続のマイナスとなった。半導体業者による生産拡大が生産設備の増産を下支え、一部の減少幅を相殺したものの、機械設備業は同▲10.76%と6ヶ月連続のマイナスとなった。一方、域内における自動車市場の持続的な活況、デザインを変えた新型車の発売好調、販促の実施による販売活況、10月の自動車及びその部品業は同+3.79%と5ヶ月連続のプラス成長を見守った。
黄偉傑・経済部統計処副処長は、「5G、高速演算、自動車用電子機器ための応用チップへの需要増加、デジタルトランスフォーメーションにかかる応用への需要増加、加えて欧米年末消費ピークによる在庫補填の増加などは製造業生産の下支えとなるものの、世界的なインフレ、及び利上げ圧力が依然として高く、ロシア・ウクライナ戦争の膠着、加えて中国によるゼロコロナ政策実施の継続が引き続き国際貿易の成長を攪乱し、製造業生産に頭打ちとなることから、11月の製造業生産指数は127.85~131.85、前年比▲5.9%~▲8.8%となる見込み」との見方を示した。
経済部の担当者は、「世界経済はインフレ及び利上げの影響を受け、世界的な最終需要の減少、産業サプライチェーンによる在庫調整の持続、業者による関連設備投資の緩和、昨年基準値が高かったことから、11月の製造業生産は3ヶ月連続のマイナスと引き続きマイナス基調となるほか、減少幅が拡大しかねない」とみている。
工業生産指数の前年比伸び率(製造業業種別)