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地方自治体から台湾へ!
~地方自治体職員が日本台湾交流協会を紹介します~

名 前:三谷 良樹
所 属:高雄事務所 
派遣元:三重県 



1.<はじめに>

 2019年4月より、三重県庁から出向し、日本台湾交流協会高雄事務所で勤務している三谷良樹と申します。
 三重県では、これまで全国巡回イベントの担当や、経理等を担当してきましたが、海外に関する業務の経験があまり無かったうえに、中国語が全くできないため、内示を受けてからはとにかく不安でした。


2.<日本台湾交流協会高雄事務所について>


   現在働いている高雄事務所には、日本人9人、現地職員14人が在籍しています。現地職員の多くは日本語が流暢であり、外務省、経済産業省といった省庁等から派遣されている日本人も中国語が堪能な方が多いので、業務を行ううえで大きな支障はありません。生活面でも多大なサポートを受けており、大きなトラブルなく過ごせています。


3.<担当業務について>
 私は高雄事務所の経済兼総務主任として、本部や外務省からの照会の対応、 当地のイベントへの参加、日本からの訪問者へのブリーフィングを行うほか、現地の市政府等の公的機関、日系企業等を訪問して聞き取った内容を本部や外務省本省に報告することもあります。 
 日本と台湾の間には外交関係はありませんが、地方、民間の交流は非常に盛んで、当所も双方のニーズを聞きながら交流の支援をすることがあり、これまで携わった中では、教育交流に関することが印象に残っています。
 地元・高雄市政府から当地の学生の日本への研修旅行の訪問先を斡旋してほしいと依頼があった際には、日本の各自治体に照会をかけたのですが、想像より多くの反響があり、台湾との交流に対する日本側の積極的な姿勢に驚きました。 
 高雄市は、各県の提案を比較しながら、交流内容等を慎重に確認し、最終的には栃木県から提案いただいたプランに決定しました。その後も栃木県の担当の方には、高雄市の希望にきめ細かく対応いただいたおかげで、大変充実した交流になったようで、研修を終えた高雄市の訪問団を空港に出迎えに行った際には引率の先生から同県に対する感謝の声をいただきました。
 また、ある時は、当地の小学校の先生の依頼に対応して、三重県の小学校とのスカイプによる交流授業を行ったこともあります。スカイプであれば費用もあまりかからずに手軽に国際交流ができるので、今後も広げていけたらと考えています。
 
 
 総務主任としては、事務所の警備や苦情、要望等に対応しています。中には、日本統治時代に遡るような相談案件もあり、非常に責任の重い仕事だと感じています。  
 そのほか、出向元の三重県からの依頼を受けて、県が開催する事業に協力することもあります。スーパーマーケットで行った県産品のPR活動では、試食を通じて台湾の人々の嗜好を知ることができました。お客様には日本の食材は塩辛すぎるとよく指摘されましたが、
1年近く暮らすうちに私も当地の食事に慣れ、当地で好まれそうな食品について少し理解できるようになりました。
 


4.<台湾、高雄市での生活について>
 事務所のある高雄市は、熱帯地域に位置する、人口約280万人の港湾都市であり、工業都市です。大都会ではありますが、親切な人が多く、過ごしやすい町です。日本の方がパスポートを無くしても、すぐに台湾の方が拾って届けてくれた、といったことは度々ありますし、雨の日に濡れながらバスを待っていたら中学生が傘をさしてくれたこともありました。そんな話を数えあげれば本当に切りがないほどです。 

 在任中にしか見られないものを見ようと、休日には極力外に出掛けるようにし、自転車での台湾一周(環島)、マラソン大会への参加、プロ野球観戦、山登り、離島めぐり等に取り組んでいます。一説には、「環島」、「玉山登山」、「日月潭遊泳」を達成すると『本当の台湾人』と呼ぶそうですが、在任中に達成し、『本当の台湾人』になるのがプライベートの目標です。
 

     




5.<当協会での勤務を通じて感じたこと>
 一般的に、他の組織への出向は、これまで所属していた組織との比較で学ぶことが多く有意義な経験と言えますが、出向先として日本台湾交流協会はその特長が際立っています。  
 まず、当協会には、プロパーの方だけでなく、外務省、経済産業省、財務省、農林水産省等の省庁や県市、JETRO、JNTOといった機関から出向されている方が 多く在籍されており、共に仕事をする中でいろいろな視点を持つことができます。
 次に、海外にある日本の機関で働く者として、時には国を代表する立場にもなります。日本を背負っていると意識すれば、自ずと視野が広がり、身が引き締まる思いがするものです。
 また、他の自治体の業務の支援をすることで、他の自治体の取組についても学ぶことができます。特に、私は観光や国際分野に関する業務の経験が浅いので、他の自治体の方から学ぶべく情報交換に努め、知識を補うようにしています。
 こうしたことから、当所での経験は、「日本と海外(台湾)」、「国と地方」、「地方と地方」、「民間と行政」等、様々な角度からの比較を通じた多様な視点を与えてくれ、三重県に戻ったあとも、当協会での勤務から得られた人脈や視点は業務に活かせるものだと思います。
 最後になりますが、今、多くの台湾人が日本に親しみを持っていただいていることは、インバウンドや農産物販売等の日本政府、自治体の取組を進めるうえでとても恵まれています。しかし、当協会で業務を行ううえでは、それを利用するばかりではなく、日本と台湾の交流の一翼を担っているという意識を持って、自らが日台関係をより良いものとするよう取り組んでいきたいです。

※月刊誌「交流」に記事を掲載しましたのでこちらもご覧ください。



<人事交流に関するお問い合わせ先>
公益財団法人 日本台湾交流協会 総務部人事担当  
03-5573-2600