行政院主計総処は11月23日、最新の労働力調査を発表した。これによると、新卒者が就職先を確保し、水際対策の緩和がサービス業労働力の需要をもたらしたことから、10月の失業率は3.64%と2ヶ月連続の改善となったほか、直近半年で最低の水準となった。年末までに引き続き改善基調となる見込み。
陳恵欣・国勢調査副処長は、「水際対策の緩和に伴い、10月のサービス業の求人ニーズが増加し、小売、宿泊・レストラン飲料業、美容などその他サービス業の就業者数はいずれも増加した。国際景気の減速が製造業に与える影響は、足元では明らかとはなっていない」と述べた。
輸出、製造業生産とも不況となったにもかかわらず、製造業の就労情勢に影響を及んでいなかったことについて、陳・副処長は、「過去の統計によると、景気減速の影響順次は、先に労働時間に与えてから、その後に就労情勢に与える。今回の景気減速による製造業への影響は来月の雇用調査結果が出次第、明らかになる見込み」とみている。
統計によると、10月の就業者数は前月比1.3万人の増加となり、うちサービス業は前月比1.6万人の増加と大きく寄与し、工業2,000人の増加、農林漁牧業4,000人の減少となった。陳・副処長は、「10月の就業調査統計の基準期間は9日~15日であり、水際制限の緩和は10月13日からとなったことから、水際対策の緩和、コロナ禍からの生活の正常化などは10月の労働市場に影響を与えた」と述べた。
今年に入り、失業率は新型コロナ感染拡大の影響を受けて5月から上昇し、また、卒業シーズンに伴い、失業率は8月に最高となる3.79%に上昇した後、2ヶ月連続の改善となり、10月は3.64%に改善した。主計総処の担当者は、「足元の失業情勢は安定している」とみている。
ここで注意すべきことは、循環的失業の重要指標とみなされる10月の業務縮小による非自発的失業者数は13.3万人に減少し、4ヶ月連続の減少となった。陳・副処長は、「これは主に、新型コロナ感染拡大の緩和、経済活動の再開が関係している」と説明した。
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