行政院主計総処は、9月8日に最新の物価調査結果を発表した。同調査によると、8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比▲0.33%と7ヶ月連続のマイナスとなったものの、下落幅は直近5ヶ月で最小となり、第2四半期(▲0.98%)を下回った。
邱淑純・総合統計処専門委員は、「旅館宿泊代は前年同月比▲10.4%となったものの、下落幅が直近7ヶ月で最小となった。また、航空券、旅行料金の下落幅も縮小し、新型コロナウイルス感染が消費に与えた影響が緩やかとなったことを反映している」と述べた。
8月の外食価格の対前年比上昇幅が過去114ヶ月で最小となったが、これは消費が依然として不調であるかの現れではないかとの考えについて、邱・専門委員は、「国内の消費力が回復したにもかかわらず、外食価格の上昇幅が過去最小となったことは主に、飲食レストラン業で最も重要なコストの一つであるガス価格が14ヶ月連続のマイナスとなったことによるものであるが、直近3ヶ月の外食価格は徐々に回復した。また、8月のエネルギー及び青果類価格を控除したコア物価は前年同月比+0.31%と4ヶ月連続のプラスとなったことから、足元ではデフレ発生の懸念はない」と説明した。
9月の消費者物価が上昇に転じるかについて、邱・専門委員は、「昨年の8月、9月は台風の影響を受け、野菜、果物価格が上昇し、基準値が高かったことから、今年9月の消費者物価は引き続きマイナスとなる見込みだが、下落幅は縮小する見込み」との見方を示した。
企業の出荷価格を図る8月の卸売物価(WPI)は前年同月比▲9.09%と16ヶ月連続のマイナスとなった。このうち、輸出価格は同▲9.12%、輸入物価は同▲11.14%となった。原油、化学及び工業関連産品の輸入価格が大幅に下落したほか、鉱産品、化学産品、ゴム・プラスチック製品の輸出価格も大幅に下落した。
物価動向表