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台北事務所スタッフブログ

概要
日本の皆様に少しでも多く台湾を知ってもらうため,新たにスタッフブログを開設し,台湾の“生”の情報を届けていきたいと思います,是非ご覧下さい。

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2021年02月23日

言語文化

暮らしのヒントに?!台湾のことわざについて


皆さまこんにちは!台北事務所の三田村です。

台湾では先週、旧正月も終わり本格的に仕事始めを迎えました。
毎年旧正月が終わると少しずつ春の訪れを感じます…!

▼事務所近くの公園でも、桜が綺麗に咲いています。


日本には「一年の計は元旦にあり」ということわざがありますが、これはもともと、「一年之計在於春(一年の計は春にあり)」という中国語のことわざが由来になっていると言われています。
日本では西暦の1月1日、「元旦」を1年の始まりとしていますが、台湾や中国大陸では旧正月で新年をお祝いするため「1年の計画は春に立てるのが良い」としています。

普段、台湾人の同僚や友人と話していると、このような中国語の「ことわざ」を教えてもらうことも多いのですが、「台湾の習慣や文化から生まれたことわざもあるのかな?」と、ふと疑問に思いました。
そこで今日は、台湾のことわざについて紹介させていただきたいと思います!

台湾のことわざとは?

今日ご紹介する「台湾のことわざ」とは、台湾語が原文のことわざです。
中国語で「ことわざ」は「諺語(yàn yǔ)」と表現されたりしますが、台湾語が原文のことわざは「台湾俗語(tái wān sú yǔ)」と表現されたりします。
例えば、よく耳にすることわざの一つに、三国志の登場人物が由来する「說曹操,曹操就到」があります。
直訳すると「曹操のことを話すと、曹操がやってくる」となります。日本の「噂をすると影」ということわざにあたります。これはいわゆる中国語のことわざです。
一方、台湾語のことわざには、例えば「愛拚才會贏」というものがありますが、中国語では「努力才會有所成」と訳されることがあります。意味としては「努力があってこそ成果がある」となりますが、同じ「努力」という単語でも、中国語では「努力」、台湾語では「愛拚」という単語になります。
また、中国語のことわざは主に歴史的な文献や資料などに文字で残されているものが多いですが、台湾語のことわざは、主に口頭で伝えられてきたと言われています。
実際に、台湾語を話す友人や同僚も、「台湾語は読み書きして学んだものではなく、家族などと話しているうちに自然と身に付けた」という人が多いです。

では早速、台湾語のことわざについて、ご紹介していきたいと思います!

台湾と日本の似ていることわざ

・三百六十行,行行出狀元 (どんな職種にも、それぞれ一番がある)



「三百六十行」は各種職業を表し,「狀元」はその業種で最も優れた人を指します。
日本にも「餅は餅屋(:その道のことはやはり専門家が一番)」ということわざがありますね。

・拍斷手骨,顛倒勇 (腕の骨を折って,かえって強くなる)



昔は「接骨で治った骨は,実は骨折する前の骨より強い」と信じられていました。
それが転じて、日本の「失敗は成功のもと」のように、何か困難や挫折に遭遇した人に、励ましの意味を込めて使われるようになりました。

・一粒米,百粒汗 (一粒の米には、百粒の汗がある)



打包(:レストランなどで食べきれなかった料理を持ち帰る)文化が根付く台湾らしいことわざだと思います。日本にも「粟一粒は汗一粒」ということわざがありますね。
美味しい食べ物で溢れている今の時代に、感謝しなければ…と気付かされます。

台湾の習慣・文化に関することわざ

・二八月亂穿衣 (2月と8月は着る服が定まらない)



昔の台湾では、旧暦の2月と8月は季節の変わり目とされていて、気温の寒暖差が大きかったことから生まれたことわざです。例えば旧暦の2月は毎年およそ2月下旬頃~3月中旬頃になりますが(旧暦の月は毎年少しずつ異なります)、この時期は日中25度以上の温かさになったかと思えば、朝晩はコートが必要なくらいの肌寒さを感じる日もあります。
昔の天気予報がなかった時代は、このようなことわざから天気の判断をしていたそうです。

・不怕七月半鬼,只怕七月半水 (7月半ばの幽霊は怖くない、ただ7月半ばの水は怖い)



中国語で「鬼」は「霊」のことを指します。台湾や中国大陸では「鬼月」といって、旧暦の7月に毎年あの世から、先祖の霊やその他の霊が帰って来ると言われています。その霊を供養するために毎年旧暦の7月半ばには「中元節」と言われる拜拜(=お参り)が各家庭や会社で行われます。
その昔、台湾では「中元節(旧暦の7月半ば)に帰ってくる幽霊は怖くない、それよりも7月半ばに集中する豪雨や台風の方が怖い」と言われていました。
現在でも、毎年台湾の7~8月頃は大雨や台風が接近することも多く、この時期は停班停課(=政府が出す休校、出勤禁止のお知らせ)になることも珍しくありません…

・無三不成禮 (3つ揃えないと失礼だ)



「有一就有二,有二就有三,無三不成禮」とも言われ,道教の教えが根付く台湾では「三」という数字は天・地・人を指し,非常に広大であることが意味されています。
そのため台湾では神様にお供え物をする際には「3つ」が良いとされています。例えば旧正月の新年のお参り等でも「3種3個」が良いとされています。
日本では「1度有ることは2度有る、2度有ることは3度ある」ということわざがありますね。これは少し消極的な意味で使われることもありますが、台湾では「1あれば2がある、1が始まり、2で続き,3が生まれる」という論理のようです。

・萬事,着留後步 (どんなときも逃げ道を残すこと)



台南市には「赤嵌樓」という国定古跡がありますが、その城跡と、同じく台南市にある「安平古堡」と呼ばれる城堡は、実は地下トンネルで結ばれていた、という伝説があるそうです。
また、台湾南部に位置する離島の「小琉球」には「龍蝦洞」と呼ばれる洞窟がありますが、こちらも海賊たちの逃走用のトンネルがあった、という伝説があるそうです。
「逃げ道」というと少しネガティブなイメージがありますが、このような諸説から分かるように、昔から台湾の方々は、ピンチなときにも、それを克服することができる手段を残しておくことが大事だと考えていたのかもしれません。このことわざを受けて、困難な場面に遭遇したとき、頼りにできる手段や、味方をしてくれる人、気晴らしになる趣味など、それを乗り越えられる何かがあると心強いな、と思いました。

おわりに

今回、ご紹介させていただいたことわざは、ほんの一部分ですが、色々と調べていく中で、当時の台湾の人々の生活風景や心情が伺えることができ、非常に奥深いと感じました。
皆さまも、この記事を通して台湾のことわざは面白いと感じていただけたら嬉しいです(^_^)
ここまでご拝読いただき、ありがとうございました!


このブログを書いたのは…


三田村康夏・台北事務所派遣員

好きな台湾グルメは,臭豆腐,鴨血,水蓮の炒め物


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