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台北事務所スタッフブログ

概要
日本の皆様に少しでも多く台湾を知ってもらうため,新たにスタッフブログを開設し,台湾の“生”の情報を届けていきたいと思います,是非ご覧下さい。

ブログトップページはこちら(https://www.koryu.or.jp/about/taipei/staffblog/
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2021年03月23日

文化

台湾産パイナップルの魅力発見!



 みなさま、はじめまして。台北事務所広報文化部主事の白田と申します。2017年に着任し、現在は主に研究支援や学術交流を担当しています。
台湾には2012年から在住しています。2011年の東日本大震災をきっかけに一度きりの人生で挑戦したいことを真剣に考え、大学時代に語学留学で訪れた台湾をもう一度深く学びたいと決意して再訪しました。
台湾の暮らしはたくさんの魅力に溢れていて、9年間住んでいても日々新しい発見があります。今回は数ある魅力のなかでも今話題のフルーツ、台湾産パイナップルについてご紹介させていただきます。みなさま台湾産パイナップルを召し上がったことはあるでしょうか。台湾のフルーツというと、マンゴーやライチなどを思い浮かべるかもしれませんが、パイナップルは中国語で「鳳梨」(fènglí)と書き、台湾三大果物の1つとも言われる台湾を代表するフルーツです。私は台湾産のパイナップルに目がありません。とにかく「美味しい!」の一言に尽きるのですが、すでに召し上がったことがある方も、まだの方も、ぜひ台湾産パイナップルの魅力をさらに知っていただければと思います!

台湾とパイナップルの歴史

パイナップルは台湾固有の果物ではなく、もともとは南アメリカが原産で、16世紀にアフリカやアジア、南洋諸島などに伝わり、その後17世紀に中国の南方から台湾に伝わったと言われています。その後、日本統治時代には、台湾南部の高雄にパイナップルの缶詰工場が設置され、加工用パイナップルの栽培が本格化しました。


▼『交流』2016年11月号の片倉佳史さんの記事でパイナップルの歴史が紹介されています。
https://www.koryu.or.jp/publications/magazine/?itemid=19&dispmid=4257


第二次世界大戦後も、台湾では引き続きパイナップルの栽培技術の研究がなされ、1970年代には台湾のパイナップル缶詰は世界的シェアを誇るようになっていました。しかし、貿易の自由化や製造コスト高などの原因で、1980年以降缶詰などパイナップルの加工産業は下火になってしまいます。でも、ここから台湾パイナップルの快進撃が始まります。それまでは加工用なので栽培するパイナップルは酸味の強いものでしたが、収穫直後にそのまま生で食べられるよう品種改良が進みました。また、品種ごとに収穫の時期をずらしていくことで、一年中パイナップルを楽しむことができるようになったんです。現在の台湾のパイナップルが驚くほど美味しいのは、こうした品種改良の賜物なのですね。
そして現在、台湾のパイナップル年間平均生産量は約43万トンに上っていて、そのうち約9割が台湾内部で消費され、1割が海外に輸出されています。

台湾のパイナップルは種類が豊富!

品種改良がなされる前、最初に台湾にあったパイナップルは「在来種」と呼ばれていました。そして、缶詰などの加工品用に、日本統治時代にはハワイから「開英種」という苗が導入されています。この「開英種」は別名「土鳳梨」とも言われていて、この「土」という字が付くと「地の物」という雰囲気があって、台湾にパイナップルが根付いているのだなと改めて感じます。そして、現在では20種類以上のパイナップルが開発されています。台湾ではパイナップルは台中市以南、特に屏東県、台南市、高雄市などで多く栽培されていて、一年中生産されているものの、3月半ばから7月までが特に美味しい季節といわれています。まさにこれからが旬です!

たくさんの種類の中で最もポピュラーなのが、台農17号、別名「金鑽鳳梨」(jīnzùan fènglí)(直訳するとゴールデンダイアモンドパイン)というパイナップルで、日本に輸出されているのもこの品種です。


▼私たち職員も、台南市と屏東県のパイナップルをありがたく賞味いたしました! https://www.facebook.com/JiaoliuxiehuiTPEculture/posts/3720310774723255
https://www.facebook.com/JiaoliuxiehuiTPEculture/posts/3738410906246575

そのほか私が出会ったのは、台農16号、別名「甜蜜蜜鳳梨」(tiánmìmì fènglí)(直訳はスウィートパイン)という品種です。酸味と甘みのバランスが抜群でした。一緒に買った金鑽鳳梨とも一味違っていて、台湾のパイナップルは本当に奥が深いです。

▼表面は緑色でしたが、ものすごく甘かったです!

パイナップルは剥かずに殺める!?

私は、台湾でパイナップルを買う時は、迷わず丸ごと1個を買うようにしています。なぜなら、スーパーでも伝統的な市場でも、お店の方がパイナップルを「殺めて」くれるからです。え?「剥く」のではないの?と思われたかもしれません。実は、台湾語で、パイナップルを剥く時は「刣」(thâi、タイ)という動詞を使います。これを中国語に直すと、(刀で切って)殺めるという意味になるので、わざと「殺鳳梨」と書いたり、「鳳梨 自殺/他殺」などと書いたりしてお客さんの目を引くお店があるのです。ちなみにこの場合、他殺というのはお店の人が剥いてくれること、自殺というのは持って帰って自分で剥くという意味になります。なお、中国語で頼むときは「請幇我削」(Qǐng bāng wǒ xiāo)と言えば剥いてくれますし、丸ごと持っていくと「要削嗎?」(Yào xiāo ma?)と聞いてくれる時もあります。
今回は、フルーツ屋さんのご主人に他殺をお願いしつつ、パイナップルを選ぶコツを聞いてみたところ、パイナップルを見た目で選ぶのはとても難しいが、重さで判断すると良いとのことでした。

▼選んでくれますかとお願いすると、「もちろん!」と言って真剣に選んでくれました。


そうこう話している間に、ご主人が素早く皮を剥いてくれました。しかも、切った断面を触らないようにビニールで反対側をもってするすると剥き、ビニールに入れてくれました。まさに華麗なる早業です!

▼切っている傍に立つと、甘い香りが漂ってきます。

パイナップルは縁起物

食べて幸せなパイナップルですが、台湾では縁起物としても親しまれている果物です。パイナップルの台湾語は「王梨」の漢字をあててông-lâi(オンライ)と読みます。この音が、繁盛することを表す「旺來」(ōng-lâi、オンライ)の音と似ているため、店先やレジ前などにモチーフが飾られています。大きい提灯のようなものから小さな陶器やガラスの置物まで、バラエティ豊かなパイナップルのモチーフがあります。

▼近所にはこんなかわいいネオンの飾りがありました。

ただし、パイナップルのモチーフが相応しくない場所があるので要注意です!病院、警察署、消防署などは、お仕事が繁盛してしまっては大変です。ですので、これらの場所に勤務している方にもパイナップルを贈るのは控えた方が良さそうです。

台湾で味わうパイナップルの魅力

パイナップルはやはりそのまま食べるのが一番美味しいと思っているのですが、台湾で暮らしていると他にも美味しい食べ方に出会えます。何も足さずにそのままジュースにして飲むもよし、ドライフルーツになっているパイナップルをヨーグルトと共に食べるのもよし、パイナップルかき氷を食べるもよしです。さらに、お酒がお好きな方なら、生のパイナップルを大胆に絞ってカクテルを作ってくれるバーなどに行くのもおすすめです。

▼不純物なしのパイナップルジュースはごくごく飲めます!


みなさまも、日本で台湾産パイナップルをみかけたら、ぜひ召し上がってみていただければ嬉しいです。特に、パイナップルは酸っぱ過ぎて苦手という人にはぜひチャレンジしてみてください。きっと虜になること間違いなしです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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