
みなさん、こんにちは!!
日本台湾交流協会台北事務所の柴原です。
今回は、前回の
【脳内旅行】台湾一周(環島)自転車の旅~前編~に引き続き、後編のご紹介です。また、日本にお住まいで台湾旅行に行きたいけど行けないという方も、このブログを通じてぜひ「脳内旅行」を楽しんでいただけると嬉しいです。
(今回は6日目から9日目最終日までの後編となります)
6日目:屏東–知本(約109km)
今日は、今回の環島で最大の難所!!屏東から「壽卡」という峠を越えて島の東側、台東へ入ります。
▼このような手書きのルート図を使って、毎朝ガイドさんが行程を分かりやすく説明してくれます。
その時の道路状況などを見ながら臨機応変にルートを変更することもありました。

みなさん、このルートを見てお気づきと思いますが、今日が最大の難所と言われる所以は標高400mを10㎞以上ひたすら登り続けるためです…。
▼上り坂を前に休息中。束の間の笑顔です。この後待ち受ける坂道があんなに過酷なものだとはまだ知りません…。

▼きつい上り坂の前に牡丹社事件紀念公園を横目にしながら、どんどん原住民族の要素が増えていき、可愛いアーチが我々を出迎えてくれます。ここにはパイワン族(排湾族)の方々が住んでいます。



▼立ち寄った屏東県牡丹郷の教会で、「cinavu(吉拿富)」という原住民風の粽をパイワン族(排湾族)の方々に振る舞っていただきました。この粽はお客様をもてなすなどの、特別な時に作るそうです。
外側に月桃の葉などを用い、内側に食べられる葉で包んだ餡が入っていて、アワや豚肉やピーナッツなどを入れます。
台湾北部や南部の粽ともまた違い、部落ごとでも異なる味だそうで、粽は「ご当地グルメ」のような位置づけなのかなと思いました。


牧師様が我々の安全と環島制覇を願ってお祈りをしてくださり、心もお腹も満たされ、いざ上り坂へ!!!

▼このような山の中をぐねぐねと上っていきます。自転車道がなく、道路状況もあまりよくありませんでした。ところどころ木の枝や小石が散らばっていて、よけて走らないとタイヤがパンクしてしまう恐れもあります。

傾斜自体はそんなにないものの、どんなにペダルを漕いでも終わりが見えない坂に気持ちが負けてしまいそうでした。
一度、足がパンパンになりすぎて感覚がなくなったように力が入らず、よろけて後ろから来る大型バスに危うく衝突しそうになりかけたのは今でもヒヤリとします。
でも周りの「加油!」という励ましの声のおかげで、なんとかゴールの「壽卡」にたどり着くことができました!
この壽卡鐵馬驛站は日本時代の検問所跡を利用したサイクリストの休息地点となっていて、上り坂を制覇した証としてここで記念撮影をする人が多いそうです。


▼上りはきついですが、下りはあっという間です。山を下り、東海岸が見えてきました!!

今日は、弱アルカリ性の炭酸水素塩泉で無色透明、ミネラル豊富で美肌効果が期待できるとされる知本温泉に宿泊します。
▼ビールのパッケージがアミ族のモチーフになっていて目でも楽しめました。温泉で疲れを癒やした後のビールはまた格別ですね!
7日目:知本–瑞穂(約121km)
この日は晴れてサイクリング日和の中、風光明媚な景色を北上します。
台湾の東側は北東から季節風が吹くため、反時計回りに環島中である我々にとっては向かい風となりますが、景色を楽しみながら一歩一歩着実に進んでいきます。
ちなみに、連日のサイクリングで少し膝を痛めてしまった私はサポートカーに乗ってメンバーの応援です。



▼山の稜線と青と緑がとてもきれいでした。環島で一番景色が良く、風さえなければ走りやすいコースではないかと思います。
7日目の様子はこちらから
https://fb.watch/4yIjhIz2ie/
※動画提供:静岡県台湾事務所
8日目:瑞穂–礁溪(約71km)
この日は瑞穂を起点に、花東縦谷公路を北上して花蓮駅まで行き、そこから先は危ない道があることから電車利用推奨区間となっているそうで、台湾鉄道に乗って本日の目的地である宜蘭の礁溪駅に向かいます。
▼大きな丸太を担いで運ぶ姿アミ族(阿美族)のモニュメントがありました。

花東縦谷国家風景区管理処では所長をはじめとする職員の皆様が、アミ族(阿美族)の歌と踊りで出迎えてくださり、日台友情チームも踊りの輪に入り一緒に踊りました。
初めてお会いしたのに一緒に踊るとなぜかぐっと距離が縮まった気がします。

▼この日は環島で最も気温が高く、30度前後まで上がった一日となりました。
休憩中、メンバーは暑さをしのぐため、日陰に避難!
12月ももう終わりという時にここまで暑くなるとは思いませんでした…。9日間台湾の各地を巡って改めて、台湾南部は気温が高いことを実感しました。
▼花蓮駅に到着し、台湾鉄道で一気に礁溪まで移動します。お弁当を食べながら望む車窓は真っ青な海で絶景でした(あまりの美しさに写真を撮り忘れてしまいました)。
9日目:礁溪–台北(約92km)
今日がいよいよ9日間の環島最終日となります…。
苦楽を共にした仲間たちと一緒に走るのもこれが最後です。
この日は大寒波が押し寄せ、気温が10度を下回る寒さで、前日との気温差も大きく、また雨風吹き付ける最悪のコンディションでした。
雨が降ると靴がびしょびしょに濡れて更に体温が奪われます。

▼途中、十分に立ち寄り、日台友情の深化・発展を祈念してランタン(天燈)を上げました。上げると急上昇してすぐ遠くに飛んでいったので、日台の友情も更に加速していきそうな予感!

▼山を下っていきます。ゴールまであと少し!!


890㎞を9日かけて移動する環島の出発地点である松山駅に戻ってきました!
松山駅ではカイロやショウガ茶をいただき、文字通り「温かく」、駅長などたくさんの方々から出迎えていただきました。
おわりに
この9日間、自転車で走っていると、様々な方々から「加油!(頑張って!)」と声をかけていただき、各地でおもてなしをうけ、環島を通して改めて台湾の人の温かさに気づきました。
私は3年間台湾に駐在して、台湾の色んな場所を訪れてきましたが、今回初めて訪れたところも多く、どこもとても魅力的でした。
特にバスや電車では通り過ぎてしまうようなところも、その地の空気やにおいを肌で感じることができるのは自転車ならではの利点でもあります。
日本ではまだあまり知られていないスポットもありますので、今後もこの台北事務所スタッフブログを通して多くの方に台湾の魅力をお届けしていきたいと思います。