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台湾日本人会会報「さんご」2019年1月号における沼田代表の新年の挨拶

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 新年明けましておめでとうございます。

 年頭に当たり皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

 本年もよろしくご指導とご鞭撻のほどお願い申し上げます。

 昨年も日台関係は人的往来や投資面において順調に拡大した一年でした。2016年5月の蔡英文政権発足後、台湾側との間で様々な交流拡大に向けた施策を打ち出してきましたが、その成果が目に見える形で着実に表れています。

 まず、人的往来については、世代を超えて積極的な行き来が行われました。一昨年646万人もの人々が日台間を往来し、今月下旬に発表される予定の昨年の統計ではこれを上回ることが確実視されています。日本の地方都市への就航路線も計22路線に達しており、 双方間で更に裾野の広い交流が行われるようになってきています。

 若い世代の交流も益々活発になっています。例えば、2009年に導入された日台ワーキング・ホリデー(WH)制度を使って今では毎年5000名もの台湾の若者が日本に行っています。ワーキング・ホリデー制度は双方の青少年が実際に相手方に滞在し、お互いの文化や生活を理解できる貴重な機会となることから、同制度を通じた双方間の交流を更に活発にしていきたいと思っています。

 また、一昨年に開始した「台湾高校生日本留学事業」も青少年交流にとって重要な意義があります。特に、高校生の段階で日本の文化や生活を経験し、対日理解を深めてもらうことは、日台関係の将来にとって極めて重要な意義があります。日本に留学した高校生の皆さんが、将来の日台関係の担い手となっていただけるものと確信しています。ちなみに、現在24名の台湾人高校生が約1年間、ホームスティを中心に日本に留学しています。

 高校生の対日理解との観点からは、同じく一昨年に台湾で開始された「日本語パートナーズ派遣事業」も大きな役割を担っています。この制度は、台湾各地の高校にティーチング・アシスタントとして日本人教員を派遣する事業で、日本語教育を下支えしています。現在派遣中の第三期は、総勢15名で台北や高雄などの大都市圏にとどまらず、花蓮や台東などの地方都市にも派遣されており、台湾全体の日本語教育の強化や対日理解の増進に大きな力を発揮して頂いています。

 以上の様な活発な人的往来がなされているものの、課題もあります。例えば、日台間の人的交流は2:4.5、すなわち訪台日本人が約200万人であるのに対し、訪日台湾人は約450万人という比率になっていたり、ワーキング・ホリデー制度でも台湾人の利用が上限5000名を上回っているのに対し、日本人の利用は僅か300名強にとどまっているのです。

 経済分野における日台交流も拡大の一途です。例えば、鉄道網電化事業や風力発電等のグリーンエネルギー事業といった分野で活発な商談が行われているのは嬉しいことです。

 また、11月には、台北で「第43回日台貿易経済会議」が開催され、双方間の議論の結果、5つのMOUが締結されるなど多くの成果がありました。具体的には、「AEO相互承認に係る日台民間取決め」、「医療機器品質管理システム(QMS)に関する協力覚書」、「特許の出願・審査情報の交換に関する取決め」、「中小企業支援及び中小企業間の協力の促進に関する覚書」及び「日台若手研究者共同研究事業に関する協力覚書」であり、今回の締結を契機にこうした分野における日台交流を更に活発化させて行ければと思っています。

 文化面での交流も引き続き活発です。昨年10月には台湾では3度目、高雄では初となる宝塚歌劇団の公演が行われ、いずれも大成功を収めたと聞いております。また、当事務所について言えば、一昨年当事務所内にリニューアルオープンした「日本文化センター」が皆様のご好評を頂いており、文化ホールやライブラリーの利用者は増え続けております。微力ではありますが、当事務所としても日台の文化交流を更に推進すべく一層の努力を重ねてまいります。

 毎年日台ともに多くの自然災害に見舞われますが、その都度相手の困難に際して差し伸べられた支援の手は、正に現在の良好な日台関係を如実に示すものだと言えます。この関係を更に発展させ、日台の間で世界に誇れる相互信頼関係を築いていきたいと考えています。

 他方で、こうした現在の良好な日台関係の背景には、多くの方々の献身的なご努力があったことは忘れてはなりません。昨年春の外国人叙勲において、馮寄台・元駐日経済文化代表処代表、廖了以・元亜東関係協会会長、李傳洪・財団法人薇閣文教基金会董事長、昨年秋の外国人叙勲では、許勝雄・金宝電子工業会長(三三企業交流会会長)、鄭祺耀・台日文化経済協会名誉会長の計五名の方々が叙勲を受章されました。ここで、受章された方々の日台交流へのご貢献に対し、心より敬意と謝意を表したいと思います。

 勿論、日台関係にも課題はあります。その一つである日本産食品輸入規制問題では、昨年11月統一地方選挙と同時に実施された公民投票において規制継続賛成が全体の8割を占め可決されたことは、大変残念なことでした。政権与党の大敗は想定外のことでしたし、公民投票によって継続賛成が8割にも達したことも残念な出来事でしたが、日台の未来が明るいものとなる様、今年も引き続き台湾側と協力しながら日台関係の更なる発展に向け最善を尽くしていきたいと考えています。

 本年も日台関係の更なる発展という目標に向かって、日本人会の皆様と力を合わせていきたいと思います。引き続き、皆様方の御指導・御支援を賜れれば幸いです。

 最後になりますが、新年が皆様の更なる飛躍の年となりますよう祈念いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。