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2006年度日本語教育冬期研修会「ピア・ラーニング:協働による創造的な学びの場をデザインする」

更新日時

2007年 2月 9日作成

コンテンツ

今回の研修会では、東京海洋大学の池田玲子先生と東海大学の舘岡洋子先生のお二人の講師をお招きし、「ピア・ラーニング:協働による創造的な学びの場をデザインする」というテーマで、講義とワークショップを行いました。
 
日時  : 〈高雄会場〉2007 年1月30日(火) 10:00~17:00
                                         1月31日(水)  9:00~16:00
         〈台中会場〉2007 年2月  1日(木) 10:00~17:00
                  〈台北会場〉2007 年2月  3日(土) 10:00~17:00
                                                   2月  4日(日)  9:00~16:00

参加者 :台湾の日本語教育関係者(高雄)24名(台中)25名(台北)40名

配布資料:「ピア・ラーニング」(PDFファイル)  (PDFファイルはAcrobat Readerが必要です)
 

 まず、一日目は、「協働学習」という言葉の解説から始まり、「協働」という考え方が生まれてきた背景や日本語教育以外の分野での様々な協働の取り組みが紹介されました。そして、従来の知識積み上げである「銀行預金型」の学習観から、新しい学びの考え方である「協働学習」へとパラダイムが転換してきている現状が「対等」「対話」「互恵性」「プロセス」「創造」という5つのキーワードとともに説明されました。その後、舘岡先生の読解教育における協働学習の研究が紹介され、参加者は従来の読解教育のあり方を振り返るとともに、「プロセス・リーディング」や「ジグソー・リーディング」という体験を通して、「ピア・リーディング」における学びとはどのようなものかを考えさせられました。

 午後は、池田先生より作文授業における「ピア・レスポンス」が紹介されました。アジアの学習者のために配慮すべき点が指摘され、参加者は実際に体験をしながら、ピア・レスポンスの意義を理解しました。導入に時間をかける、否定的なコメントはしない、具体的にほめるなど、ピア・レスポンスを取り入れるためのコツが提示され、参加者も具体的な方法論に自分の授業へ導入できると感じた人は多かったようです。また、従来の赤ペンによる教師添削を学習者がどう受け止めていたのかを知り、学習者が本当に言いたいことを、仲間(ピア)との話し合いで明らかにしていくプロセスが効果的であることが実感できました。

 二日目も、講義から始まり、その後のワークショップでは、ピア・リーディングのアウトプットに、KJ法を使った思考マッピングを行ない、ポスター発表をしました。午後は、ピア・レスポンスに続けてパラグラフ・ライティングへと発展させる方法も紹介されました。今回は、「協働学習」が従来の「勉強」に加え、自問自答による「自己内省」と他者との対話によ る「外化」の繰り 返しが、「学び」の場となっていることに気づくワークショップでした。同時に、協働を支援する教師の役割が多岐にわたることについても理解が深まりました。最後は、台湾での「協働学習」の応用デザインについてディスカッションを行い、様々なアイディアが活発に交換された反響の高い研修会となりました。


池田玲子先                 舘岡洋子先生