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2008年度日本語教育冬期研修「中~上級レベルの会話指導-相手と状況に合わせた会話能力養成に必要なこと-」(2月6日~12日)

更新日時

2009年 7月 22日作成

コンテンツ

今回の研修会では、愛知県立大学の宮谷敦美先生を講師にお招きし、「中~上級レベルの会話指導-相手と状況に合わせた会話能力養成に必要なこと-」というテーマでご教示いただきました。


日時  : 〈台北会場〉2009 年2月6日(金) 10:00~17:00

              2009 年2月7日(土) 10:00~15:00

       〈台中会場〉2009 年2月9日(月) 10:00~17:00

              2009 年2月10日(火) 10:00~15:00

                〈高雄会場〉2009 年2月11日(水) 10:00~17:00

                                2009 年2月12日(木) 10:00~15:00

参加者 : 台湾の日本語教育関係者 (台北)48名 (台中)23名  (高雄)35名

配布資料: 「中~上級レベルの会話指導-相手と状況に合わせた会話能力養成に必要なこと-

                   (PDFファイル:Adobe Readerが必要です)

                ※研修中に教材例として紹介された教材映像等は、著作権法の関係上、公開できませんのでご了承下さい。


   研修第1日目は、午前の講義1では、コミュニケーション能力の4つの要素(文法能力、社会言語能力、談話能力、ストラテジー能力)について概観し、会話指導の際に気をつけなければならない点について、具体的な例が示され、表現の適切さや状況に応じた意味理解、話の進め方の問題などが参加者と共に検討されました。

   講義2では、話を自然に進めるのに必要な、前置きや開始、終了を示す表現や、聞き返し、確認表現などの、発話や聞き取り能力を補ったり、相手の協力を求めたりする技術、即ちコミュニケーション・ストラテジー(方略的能力)の重要性について、具体例を見ながら確認し、相手と状況に合わせて話すために必要なのは、待遇表現が適切に使えることだけではなく、相手の言いたいことや気持ちを発話から読み取り、的確に反応できることであり、それが待遇表現を含む各種表現の選択にも関わっていることが示されました。

 午後の講義3では、会話能力を伸ばすための練習方法として「正確さ・適切さ・自然さ・流暢さ」に注目した具体的な練習方法が検討されました。

  続くグループワークでは、中級~上級の日本語の会話練習でよく取り上げられる機能(ある場面における会話でもよい)を一つ選び、相手と状況に合わせた話し方ができるようになるために指導上留意すべき点と、その練習方法を考える、という作業が行われました。その後、ポスター発表形式による発表と質疑応答が、各グループのメンバーが半分に分かれて交代で行われ、講師による助言、指導も並行して行われました。

 研修第2日目午前の講義1では、市販の視聴覚教材を用いて、目的に応じてどのような教室活動が可能かが紹介された後、別のビデオ教材が提示され、この素材の場合にはどのような教 室活動が可能かが参加者と共に検討されました。

 そして、講義2では、ロールプレイを用いた会話指導について、「型を与えてからロールプレイをする方法」と「まずロールプレイをしてからフィードバックをする方法」の2つについて、どのような点に気をつければよいか検討されました。

 午後のグループワークでは、2つのロールプレイの指導方法のうち、どちらか1つを選び、実際の教室活動を設計する作業が行われた後、前日同様の形式による発表と質疑応答が行われ、講師と共に改善点などが話し合われました。

 2日間の研修を通して、相手と状況に合わせて話すとはどういうことか、そのような会話能力養成に必要なポイントは何かが具体的に示され、会話指導に関する認識が新たにされただけでなく、グループワークとそのフィードバックによって、教室活動設計上の留意点も確認できた、有意義な研修会であったように思われます。参加者からも、「これからの会話授業に自信を持って臨むことができる」、「いろいろ貴重なご指導を頂けたし、同じグループのメンバーとの討論や教案作りもとてもいい学習機会で、収穫の多い研修会であった」などの声とともに、「勉強になった」、「参考になった」という声が多数聞かれました。



(宮谷敦美先生)

(研修会の様子:台北)

(研修会の様子:台中)