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第2回「気持ちを伝え合う学習活動」(7月26日)

更新日時

2008年 8月 5日作成

コンテンツ

前回に引き続き、松尾慎東海大學助理教授を講師に迎え、「気持ちを伝え合う学習活動」をテーマに、研修会を行いました。


日   時:2008年7月26日(土)  14:00~17:00
場   所:慈済大学 校本部(中央キャンパス)教学行政大楼2F
参加者:台湾の日本語教育関係者・大学院生・大学生 11名


 今回は、ポスターセッションを活用した教室活動について、その理論的背景の説明から、授業での応用方法に至るまで、参加者が実際にポスターを作成し発表するというワークショップを通して研修を行いました。

  まず、日本語学習の目的の一つでもある「コミュニケーション能力を高める」方法として、発表形式の一つである「ポスター発表」を取り上げ、その特徴について「口頭発表」との比較を行いながら説明をしました。主な特徴として、



  1.頭発表では発表者は少数で、聴衆は多数であるのに対し、ポスター発表では、どちらも少数である。

  2.頭発表では一組の発表者に注目が集中するため、緊張しやすい状況になるのに対し、ポスター発表では同時に複数が発表するため、注目が分散され、緊張の度合いが低下する。

  3.頭発表では発表中のやり取りがないため、発話の機会が極端に少ないが、ポスター発表ではやり取りがあるため、発話の機会が多く、相互行為的である。

  4.頭発表では「一方通行の口頭(+パワーポイント)」と、コミュニケーションツールが少ないが、ポスター発表では「相互行為的な口頭+ポスター+身体」とコミュニケーションを図るための道具が多い。



などのポイントを挙げた後、実際にポスターセッションを活用した授業風景の映像を視聴して、上記項目を確認しました。また、映像中の発表者の多くは様々な動作と共に発表を行っており、それらの行為がリラックスした発話に繋がることも説明しました。また、この授業に参加した学生に対するアンケートの結果、「十分に話す機会があった(88.5%)」「通常の発表形式よりもプレッシャーが少なかった(84.6%)」「自分の考えやアイデアを伝えることを楽しめた(92.3%)」など、理論を実証する回答が得られたということです。

 次に、様々な機関・レベルの学習者を想定したポスターセッションの具体例を紹介した後、参加者各自が活動目標を設定し、それを元にポスターを作成し、発表するというワークショップを行いました。実際にポスターを作成することで、目標設定の妥当性を再考したり、ポスターを発表することで、通常の口頭発表よりも、発話量の多さが体感できたとの声も聞かれました。

 これらの活動を通して、「自然な発話促進に『道具』を使うよう早速実践したい。」「また新しい教え方が習得できて大変うれしく思う。」などの意見が寄せられました。また、連続性を持った同研修会の性質に鑑み、今回の研修内容を実際の授業で試みた上で、次回研修会でその実践報告を行うこととなりました。