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第4回 「限られた時間で何をどこまで教えるか」(11月7日)

更新日時

2010年 2月 2日作成

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 今回は、李金娟先生(國立台中女子高級中學)、李宜蓉先生(台北市私立育達高級商業家事職業學校)、緒方智幸先生(東海大學文學院日本語文學系)を講師にお招きし、「限られた時間で何をどこまで教えるか」をテーマに研修会を行いました。

日時:  [台北] 2009年11月 7 日(土)  14:00~17:00
       [高雄] 2009年11月21日(土)  14:00~17:00

参加者: 台湾の中等教育機関日本語教育関係者[台北] 15名、[高雄] 14名


 まず初めに、緒方先生のほうから、今回のテーマ「限られた時間で何をどこまで教えるか」に何か決まった答えがあるわけではなく、各教育機関の体制や学生のニーズ等に応じて教師が調整すべきものであることと、その一例として2人の先生の実践例を聞き、意見交換の材料とする旨ご説明があり、研修会が始まりました。

 そして、李宜蓉先生のほうから、ご自身が勤務校の日本語専攻課程で行っている日本語教育における様々な工夫のうち、「普通体」と「丁寧体」を教える際の調整のし方についてご報告をいただきました。概略は、『みんなの日本語』初級Ⅰを1冊学習し終えても、なぜ日本のドラマやゲーム、歌詞に出てくる日本語がわからないのか、という学生の疑問・不満に対応するとともに、「普通体」と「丁寧体」の使い分けに慣れさせることを目的に、現在は初級Ⅰ第4課の動詞導入時に、「丁寧体」だけでなく「普通体」の活用(て形含む)も、教科書の提出順に関係なく一緒に導入しており、ご自身考案の口訣法(リズム暗記法)を使った口頭練習によって容易に定着が図れている、という内容で、口訣についてもご説明いただきました。

 引き続き、李金娟先生のほうから、勤務校の第二外国語日本語クラスで行った様々な取り組みについてご報告をいただきました。ご報告内容の概略は、第二外国語クラスは教養科目であるべきとの位置づけから、言語と異文化理解教育を通して学習の楽しさを学び、自律学習につなげてもらうため、1学期約20時間の言語教育と10~12時間の異文化理解教育を行った。東海大学教育課程の学生の協力を得て様々な活動を行ったが、授業評価アンケートでは異文化理解教育の評価が高く、第二外国語クラスの授業には必要な項目であることが確認された、というものでした。また、東海大学教育課程の学生の協力を得て行った活動の実践例として、寸劇の台本製作と発表や、期末レポート発表の例もご紹介いただきました。

 後半は、講師と共に日本語専攻課程教員組と第二外国語クラス教員組の2グループに分かれ、緒方先生がご用意下さった『みんなの日本語』の教育項目一覧も参照しながら、報告に関する質疑応答を含め、参加者間の意見交換が行われました。専攻組では、教育項目の提出順、学生の学習動機の維持、日本語能力試験対策、学生の国語力(中国語解説の理解力)の低下などなど、多くの問題について話し合われました。また、いい教え方という決まったものはなく、教師は常に学生を見て教え方を決め、自分の教え方をチェックしていく必要がある点についても確認されました。二外組では、異文化理解教育の採点やイベント企画・実行の負担、学生間のレベル差や学習動機維持、専攻でも二外でもない放課後のクラブ活動形式の日本語クラス運営、語学中心を強調する教育部の考えと異文 化理解を重視する現場教師たちの考えとの隔たりなどなど、様々な問題について話し合われました。

 以上のように、今回は、やや少な目の参加者ながら、非常に多くの有意義な意見交換が行われた研修会となり、「課程の設定や分類に今までより幅広い発想と考え方ができた」、「多くの先生方からいろいろな教育経験を聞かせて頂き、中には理想的な方法がたくさんあった」、「日本語教育は教材に頼るだけではなく、ニーズに応じて自分で進度を決められることを知った」など、好意的な感想が多く寄せられました。


左から李宜蓉先生、緒方智
幸先生、李金娟先生

研修会の様子