2018年中の統計データ及び同年10月から12月までの間に発生した事案を基に作成した、台湾の安全情報を以下のとおりお知らせいたします。
1 社会・治安情勢
一部の団体等による抗議活動が行われているほか、2018年10月に日本台湾交流協会台北事務所前で企業の労働組合等による数十名規模の抗議活動が発生していますが、一般市民全般の対日感情が悪化しているとは言えません。
また、台湾の治安が大きく悪化したという状況は認められず、治安情勢は比較的安定していると言えます。
2 犯罪の傾向
(1)主な犯罪の発生件数
内政部警政署の発表によると、2018年中の刑法犯の発生件数は28万3,135件と、前年(2017年)と比較して3.5%減少しています。統計上、2018年は前年より治安の改善が見られますが、皆様にあっては油断することなく、台湾が海外であることを忘れずに防犯意識を高めていただければと思います。
また、主な犯罪の発生件数は以下のとおりですが、詐欺の発生件数が増加していることから、「振り込め詐欺」等の被害に遭うことのないように心掛けてください。警政署では、詐欺防止のホットラインHP(
https://www.165.gov.tw/)において、最新の情報を掲載していることから、被害防止の参考としてください。
刑法犯総数 28万3,135件(前年比 3.5%減)
うち殺人 322件(同 上19.3%減)
うち強盗 209件(同 上27.7%減)
うち強制性交 226件(同 上25.2%減)
うち窃盗 4万6,150件(同 上11.7%減)
うち詐欺 2万3,663件(同 上 4.3%増)
(2)邦人被害の事案
ア 窃盗
2018年10月に台北市内の鼎泰豐本店において食事の予約を行っている際に、11月には中正紀念堂又は台北101ビルにおいて写真を撮影している際に、邦人がそれぞれパスポート及び財布を盗まれるという被害に遭っています。いずれも被害者が所持しているバッグから注意がそれている隙を狙った犯行と考えられます。上記と関連し、先般、台北市政府警察局より、邦人を狙った中国人のスリグループが、國立故宮博物院、忠烈祠、中正紀念堂、龍山寺、永康街、台北101ビル、士林夜市、饒河夜市、九份、鼎泰豐の店舗周辺等において、依然としてスリを行っているとの再度の情報提供がありました。これらの観光地を訪れる際には、財布等の所持品に細心の注意を払うようにしてください。
イ 侮辱及び傷害
2018年11月、台北市内の士林地区において、邦人女性が台湾人の男に背後からジーンズに体液をかけられるという事案が発生しています。犯人は既に検挙されていますが、同人は被害者と面識があって狙ったわけではなく、無差別な犯行である旨を供述しています。本件のような事件に対する防犯は難しいですが、防犯カメラが犯行現場を撮影していたことが犯人の検挙に大きく結びついています。もし皆様が犯罪の被害に遭われた場合には、犯人の特定につながる情報、被害当時の状況、病院が発行した診断書、防犯カメラの映像等の資料を可能な限り集め、警察に被害申告を行うように心掛けてください。
3 交通事故の傾向
(1)主な統計
内政部警政署の発表によると、2018年中の交通事故の発生件数は30万4,821件と、前年と比較して2.7%増加しています。また、負傷者数も前年と比較して増加するなど、2018年は前年より交通情勢の悪化が見られることから、皆様にあっては、昨年以上に交通事故の被害に遭わないように注意してください。
なお、交通事故に関する主な統計は、以下のとおりです。
発生件数 30万4,821件(前年比2.7%増)
死者数 1,493人(同 上1.6%減)
負傷者数 40万5,147人(同 上2.8%増)
(2)邦人被害の事案
2018年12月、邦人が台北市内で車を運転中に交通事故を起こして亡くなった事案を把握しています。本件事故は夜間帯に新生高架道路というバイパス道路において発生していることから、夜間帯に車を運転する際には周囲の走行状況やスピードには十分に注意してください。
4 テロ・爆弾事件の発生状況
報告されていません。
5 邦人に関する誘拐・脅迫事件の発生状況
報告されていません。
6 日本企業の安全に関する諸問題
報告されていません。
7 海外旅行保険への加入の勧め
最近、台湾を訪れた邦人(特に高齢者)が滞在中に体調を崩して病院に入院し、高額な医療費等を支払うという事案が多く発生しています。このような場合、海外旅行保険に加入していれば、金銭面に不安なく治療を受けられるとともに、台湾において日本語の通訳サービスを受けることも可能となります。皆様の知人、会社の出張者等が台湾を訪れる際には、犯罪被害、交通事故、突然の体調不良等に備え、可能な限り充実した海外旅行保険に加入するように勧めてください。