2018年1月から9月までの間における統計データ(暫定値)等を基に作成した台湾の安全情報を以下のとおりお知らせいたします。
1 社会・治安情勢
一部の団体等による抗議活動が行われているほか、8月及び9月に日本台湾交流協会台北事務所前で歴史認識をめぐって数十名規模の抗議活動が発生していますが、一般市民全般の対日感情が悪化しているとは言えません。
また、台湾の治安が大きく悪化したという状況は認められず、治安情勢は比較的安定していると言えます。
2 犯罪の傾向
(1)主な犯罪の発生件数
内政部警政署の発表によると、2018年1月から9月までにおける刑法犯の発生件数は21万4,578件と、前年同期(2017年1月から9
月までの間)と比較して3.7%減少しています。統計上は前年よりも治安が良くなっていると言えるものの、台湾が海外であることを忘れずに引き続き注意する必要があります。
なお、主な犯罪の発生件数は以下のとおりですが、詐欺の発生件数が増加していることから、「振り込め詐欺」等の被害に遭うことのないように心掛けてください。
刑法犯総数 21万4,578件(前年同期比 3.7%減)
うち殺人 245件( 同 上 21.0%減)
うち強盗 159件( 同 上 29.0%減)
うち強制性交 176件( 同 上 28.5%減)
うち窃盗 3万4,493件( 同 上 12.3%減)
うち詐欺 1万7,859件( 同 上 8.8%増)
(2)邦人被害の事案
ア 窃盗
9月、台北市の地下鉄の「台北101世貿」駅内及び「劍潭」駅から士林夜市までの間において、邦人がそれぞれ財布及びパスポートを盗まれるという被害に遭っています。いずれのケースも、防犯カメラの映像から、リュックサック等を背負っている状態で背後から被害品を抜き取られている状
況にあります。前回の台湾安全情報でもお伝えしたとおり、國立故宮博物院、忠烈祠、中正紀念堂、龍山寺、永康街、台北101ビル、士林夜市、饒
河夜市、九份、鼎泰豐の店舗周辺等の観光地を訪れる際には、旅券、財布等の所持品に細心の注意を払うようにしてください。
イ 傷害
7月、台北市内の林森北路において、邦人が交通上のトラブルから台湾人の運転手と口論になり、背後から刃物で背中等を切りつけられるという事案が発生しています。林森北路等の繁華街を観光したり、お酒を飲んだりする際には、トラブルに巻き込まれないように留意してください。
3 交通事故の傾向
(1)主な統計
内政部警政署の発表によると、2018年1月から9月までにおける交通事故の発生件数は21万1,606件と、前年同期比と比較して5.0%
減少しています。前年よりも改善が見られるものの、日本と比較して台湾の運転マナーは良くないこと(特に、多くのドライバーが歩行者よりも車両
を優先する傾向があること)に引き続き留意する必要があります。
なお、交通事故に関する主な統計は以下のとおりです。
発生件数 21万1,606件(前年同期比5.0%減)
死者数 1,075人( 同 上 4.7%減)
負傷者数 27万8,691人( 同 上 5.6%減)
(2)邦人被害の事案
日本台湾交流協会では、7月から9月の間に邦人が交通事故に遭って死亡したり、重傷を負ったりするなどの事案を把握していませんが、皆様にあっては、運転時及び歩行時ともに、自動車やバイクの走行状況を常に確認し、交通事故に遭わないように引き続き注意するようにしてください。
4 テロ・爆弾事件の発生状況
報告されていません。
5 邦人に関する誘拐・脅迫事件の発生状況
報告されていません。
6 日本企業の安全に関する諸問題
報告されていません。
7 海外旅行保険への加入の勧め
最近、台湾を訪れた邦人が滞在中に体調を崩して病院に入院し、高額な医療費等を支払うという事案が多く発生しています。このような場合、海外
旅行保険に加入していれば、金銭面に不安なく治療を受けられるとともに、台湾において日本語の通訳サービスを受けることも可能となります。皆様
の知人、会社の出張者等が台湾を訪れる際には、犯罪被害、交通事故、突然の体調不良等に備え、可能な限り充実した海外旅行保険に加入するように勧めてください。
(了)