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新着情報(日本語)

2021年12月24日

お知らせ台北

【JENESYS報告】「日本の農水産業オンライン訪問団」を実施しました。

 日本も台湾も美しい自然環境と豊富な農水産資源を有し、これらの資源は国の発展の支柱となっています。この分野で日本と台湾の相互理解と交流を促進するため、以下のとおり、オンライン視察・交流を実施しました。また、今年は東日本大震災発生から10年の節目の年にあたります。この間、台湾からの温かい声援を受けて、津波で被害を受けた福島県内の漁港は全て復旧工事が完了するなど、福島は前進し続けました。さらに、福島の食材は厳しい基準をクリアし、日本国内で広く消費される他、世界にも認められています。今回の交流では、台湾の若者に日本各地の農水産業の様子とともに前進した福島の現状を知ってもらうことで日本理解を深めるため、「対日理解促進交流プログラム JENESYS2020/2021」(*)の一環として、オンライン交流を実施しました。

【開催概要】
 実施日:第1回 2021年12月7日(火)日本時間14:00〜/台湾時間13:00〜
     第2回 2021年12月9日(木)日本時間14:00〜/台湾時間13:00〜
     第3回 2021年12月17日(金)日本時間14:00〜/台湾時間13:00〜
 テーマ:日本の農水産業
 参加者:台湾の大学・大学院生 計97名

【第1回の様子】
 1日目、参加者は日台関係についてブリーフィングを受け、東日本大震災後の日台関係の深まりについて理解を深めました。その中の1つの議題として、安全性が証明されている日本の5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)産の食品(酒類を除く)に対して、台湾が現在でも輸入規制を行っていることを聞いた参加者からは「日本産食品の輸入禁止問題については台湾の人々もまだまだ理解不足の部分もあるが、今回のブリーフィングで正しい知識を得ること出来た」という意見や、日本産の食品を輸入することに対する台湾産の食品への影響の有無に関する質問もあり、熱心に意見を交わしました。
 後半は愛媛県水産研究センターをオンライン訪問し、愛媛県の水産業の概要や水産研究センターの主な業務内容、愛情を込めて育てた養殖魚「愛育フィッシュ」の媛スマ、柑橘の果皮や精油を餌に混ぜて育てた「みかんフィッシュ」、愛媛産ブランドの真珠「HIME PEARL」等について学び、実際に養殖を行っている生簀や実験を行う建物をライブ配信で見学しました。参加者も水産業に関する愛媛県の取組みに対して多くの関心を示し、「柑橘類を餌として飼育する場合、一般的な餌で飼育した場合に比べて出荷時の金額にどのくらいの差があるのか。」、「他県でも同じ漁場で獲れた同種の魚が水揚げされていると思うが、どのように差別化・ブランド化を図っているのか」等、養殖業に関する専門的なものから消費者目線の一般的なものまで、多くの質問があり、大変盛り上がりました。


【第2回の様子】
 2日目の前半は一般社団法人東の食の会事務局 高橋大就専務理事から東日本大震災後の福島県の農業の復興について学びました。福島第一原子力発電所の事故によって苦悩に直面した福島県の食の生産者たちが、どのようにして東北の食に対する信頼を取り戻していったのかを、具体的な取組事例を交えながらお話しいただきました。高橋専務理事は地域の農水産業にブランディングやマーケティングの考え方を取り入れ、地域を超えて新しいことに挑戦する「チャレンジャー」のネットワークを発展させてきました。科学的根拠で安全性をアピールするだけでなく、「この人が作ったものなら間違いない」、「この人が保証するなら大丈夫」と、「人」によって東北の食に対する信頼を取り戻していった彼らを、犠牲者ではなくヒーローだと表現し、参加者も東北の食に対する印象が変わった様子でした。
 質疑応答では「東日本大震災によって東北の自然環境、特に海は大きく変わったのか」、「生産者たちはどのようにして地域を超えて協力していったのか」と多くの質問があり、東北の農水産業や地域のネットワークづくりに非常に興味を持っていました。

 後半は、福島県浪江町でえごま栽培を手掛けるヒーロー生産者、なみえファーム代表 和泉 亘氏より、なぜ浪江町で農業を始めたのか、福島県の食の安全に対する取組についてご説明いただいた後、ライブ配信でえごまの収穫が終わった畑の様子を浪江町の景色とともに見せていただきました。
参加者からも、浪江町の農業に関する質問から、えごまの栽培方法や製品化に関する質問まで多くの質問があがり、興味は尽きない様子で熱心に聞いていました。
 和泉氏は最後に台湾の学生へ「浪江町は大変なことや課題がたくさんあるが、発想さえあればそれをビジネスに変えられる面白い町だ」とメッセージを送り、「浪江町の子供たちが、将来ここに残って仕事をしたいと思えるようにすることが我々の責任」と未来の展望を熱く語りました。




【第3回の様子】
 最終日となる3日目の前半は北海道岩見沢市情報政策部情報政策課の鎌倉祥伍氏から岩見沢市の取り組みとしてスマート農業の社会実装による地域DXの推進について説明を受けました。「人口減少」や「少子高齢化」が進んでいる同市のICTを用いた「市民生活の向上」と「経済の活性化」に関する事例をご紹介いただきました。続いて、北海道大学大学院農学院の森田豪氏から北海道大学と岩見沢市と企業が産官学連携の一環として進める農業ロボットの遠隔監視技術についてお話いただき、最後に、いわみざわ地域ICT農業利活用研究会副会長濱本武男氏から、生産者の視点に立った農業の課題やスマート農業の導入効果、今後の期待についてお話いただきました。

 質疑応答では「農業ロボットの利便性と安全性について」、「多くの農業ロボット技術の中で実用化を目指すもの」、「具体的な農作物への活用事例」と多くの質問があり、岩見沢市と北海道大学が連携して進めるスマート農業の取り組みについて非常に興味を持っていました。

 後半は、農業と水産業のグループに別れてそれぞれ学生交流を行いました。日本側は北海道大学、東京海洋大学、神戸大学、鳥取大学から農業や水産業などを学ぶ学生が参加し、活動紹介や研究発表を行いました。学生同士の質疑応答を通じてお互いの学校生活や研究内容について理解を深めると同時に、日本の学生の活動や研究に台湾の学生は感心し、刺激を受けたようでようで、同世代交流としてもよい機会となりました。

 3日間という短い時間ではありましたが、今回のオンライン訪問をきっかけとして、日台の交流がさらに促進されることを期待しています。





(※)「JENESYS」概要
 外務省が進める対日理解促進交流プログラム「JENESYS」は、日本とアジア大洋州の各国・地域との間で、対外発信力を有し,将来を担う人材を招へい・派遣し,政治,経済,社会,文化,歴史・外交政策等に関する対日理解の促進を図るとともに、親日派・知日派を発掘し、日本の外交姿勢や魅力等について被招へい者・被派遣者自ら積極的に発信してもらうことで対外発信を強化し、我が国の外交基盤を拡充することを目的として実施されました。当協会は、中華経済研究院及び日本側実施団体によるJENESYS事業を全面的にサポートしています。