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2024年09月18日
活動報告(写真)高雄
9月15日、奥所長は嘉義市を訪問し、当日開催された「嘉義木産業実作コンテスト」と「福井×嘉義 木材技術イノベーションによる木都復興プロジェクト・セミナー」に出席しました。 嘉義市は、日本統治時代に、阿里山で切り出されたヒノキなどの原木を阿里山林業鉄道により運搬した後、嘉義で材木に加工して各地へ出荷するなど林業で栄えたため「木都」と呼ばれています。嘉義市政府は、今も数多く残る当時の木造建物のリノベーションを進める「木都2.0」から、環境にも配慮しつつ木造産業の持続的な発展を目指す「木都3.0」へアップグレードしながら、木材産業の復興に取り組んでいます。 そして現在、日本台湾交流協会の「日台産業協力架け橋プロジェクト助成事業」の一環で実施されている「福井×嘉義 木材技術イノベーションによる木都復興プロジェクト」を通じて、福井県発の環境配慮型防腐保存処理木材「マーベルウッド」を核に、福井県と嘉義市が共同で、木材産業の活性化や技術向上、木造文化の定着に取り組んでいます。 当日午前中は、黄敏恵・嘉義市長のご出席も得て、全国の高校生、大学生、専門学校生のチームが「マーベルウッド」技術で加工した台湾産木材で製作した木工作品を競う「嘉義木産業実作コンテスト」の表彰式が行われました。奥所長は挨拶で、「台湾の若い世代が、『木都3.0』に呼応して、日本の防腐技術で加工した台湾産木材を用いて新たな作品を産み出し、未来を見据えた嘉義市のDNAを創り出していくことは、古くから深い縁で結ばれている日本と嘉義市との揺るぎない関係が若い世代に引き継がれ、日本と嘉義市ひいては全台湾との友情と信頼が未来へと引き継がれていくことにほかならない。嘉義市の木材産業の隆盛と『木都3.0』の実現を目指しこれからもがんばってほしい」と出場チームを激励しました。表彰式終了後は、受賞作品展示会場で実際に作品に触れながら出場チームと交流しました。 午後は、「福井×嘉義 木材技術イノベーションによる木都復興プロジェクト・セミナー」が行われ、奥所長は冒頭の挨拶で、「今回のセミナーを通じて、木材を通して結びついた日本と嘉義との歴史を礎に、日本と台湾との間の友情と信頼がさらに育まれることを願っている。 当協会の『日台産業協力架け橋プロジェクト』は、日台の木材産業の架け橋となったが、これをきっかけに、聴講者のみなさんも日本と台湾の関係をより親密にする『架け橋』になっていただきたい」等と述べました。 セミナーには、謝育哲・嘉義市政府文化局長や大学関係者、嘉義県木材商業同業工会関係者等多数の聴講者が参加し、日本が世界に誇る建築家である隈研吾さんのビデオメッセージが放映されたほか、福井工業大学の丸山晴之准教授、福井県鯖江市の製材・設計・施工会社「南部木材」の南部達也専務による講演が行われ、福井県内の木を取り入れた建築物や木造家屋のリノベーションの例が多数紹介されるとともに、日本の林業や木造建築の特徴や課題等についても詳しく紹介されました。質疑応答では専門的な質問が相次ぎ、日台双方の「木造建築」に対する熱い思いが大いに刺激された素晴らしいセミナーとなりました。
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