行政院主計総処は3月8日に最新の物価調査結果を発表した。同調査によると、寒害に伴う青果類価格の上昇から、2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.40%とここ3年以来の最高となった。
蔡鈺泰・総合統計処副処長は、「2月の消費者物価が上昇した原因は主に、寒波及び旧正月の影響によるものであり、うち寒害に伴う野菜価格の上昇が消費者物価上昇の押し上げた主因となった。野菜の卸売物価について見ると、昨年9月の台風や豪雨によりキロ当たり41元となり、昨年12月に21元に戻ったが、2月は寒害により37.4元に再び上昇したため、野菜の小売物価も大幅に上昇した。2月の野菜価格は前年比+80.7%(2004年9月以来の最高)、果物+14.5%となり、両方でCPIを1.93%ポイント押し上げた。すなわち、今月の消費者物価の上昇は青果類価格の大幅上昇によるものである」と説明した。
2月の消費者物価が+2.40%となったことは、月当たりの消費支出が6万元の世帯を例にとり、昨年2月に同じ物品を買った場合に今年の2月は1,440元多く支出しなければならず、うち特に野菜の増額は1,000元に近くになる。
低所得世帯の食物への消費支出は3割に達しており、野菜価格の上昇で最も被害を受けた。主計総処の概算では、2月の一世帯当たりの可処分所得の下位20%の低所得世帯のCPI上昇幅は同+3.24%とここ3年以来最大の上昇幅となった。上位20%の高所得世帯の上昇幅(+1.81%)に比べ低所得世帯は物価上昇の圧力に直面している。
蔡副処長は、「消費者物価がここ3年以来の最高となったが、青果類、エネルギーを除いたコア物価は同+0.82%と安定している。一方、野菜の供給不足による値上げ問題は野菜の供給改善により3月から次第に安定する」との見方を示した。
世界景気の減速、需要不振に伴い、2月の原油及び農工原材料価格が引き続き下落趨勢となったことから、2月の卸売物価(WPI)は前月比▲4.79%と18ヶ月連続の下落となった。これについて主計総処の官員は、「2月の輸入物価は同▲6.55%と20ヶ月連続の下落となったが、輸出物価は同▲2.46%と輸入物価の下落幅を下回り、貿易条件が改善しつつあることを示している」と述べた。
物価動向表[PDFファイル] [57KB]