外貨準備高
中央銀行は7月5日に最新の外貨準備高統計を発表した。これによると、主要通貨の対米ドルレートが減価したものの、利息収入の増加により、6月末の外貨準備高は前月比4.96億米ドル増加の5,732.99億米ドルと2ヶ月連続の増加となり、過去最高額を更新した。株式市場の活況により、6月の外国人による台湾元建て預金残高は8,371億米ドル、外貨準備高を占める割合は146%となり、金額及び割合とも過去最高値となった。
外為局長は、「主要通貨の対米ドルレートの減価による米ドル換算後の資産価値の減少は外貨準備高の減少に寄与した。一方、6月の台湾元レートが僅か▲0.21%の下落にとどまり、大規模な市場介入が行われず、6月の利息収入の増加が為替レートの減価を相殺したことから、外貨準備高は前月比4.96億米ドルの微増となった」と説明した。
6月の国際間における米ドル指数は+1.14%の上昇となり、主要通貨は対米ドルレートで減価が多く、具体的には、ユーロ▲1.16%、イギリスボンド▲0.71%、カナダドル▲0.34%、オーストラリアドル▲0.14%、日本円▲2.6%、人民元▲0.61%、台湾元▲0.21%となった。一方、スイスフランは+0.5%となった。
外為局長は、「7月以降、為替市場の変動が大きく、当行は市場介入を行ったが、足元の為替変動は米国政治・経済の不安定な情勢を反映し、市場調整の進捗の結果であり、加えて米国大統領選挙の結果や経済指標などの米景気先行きの不透明感はFedの利下げの市場予測に影響を与える」と述べた。また、「6月は外資による株式買い越しが発生しており、金管会の統計によると、6月の外資純流入額は約66億米ドルとなったが、中央銀行の統計では元本と投資収益を合わせた外資純流出額は約10億米ドルとなった。今後もTSMCの株配当が続けば外資の再投資がなされるため純流出の規模は拡大せず、また以前は外貨流入は先物取引を通じて行われていたが、現在では配当の受け取りも先物取引を経由して行われるため為替市場への影響は大きくない」と述べた。
株式市場の見通しについて、外為局長は、「株式市場の予測は難しいが、重要なのは経済が減速するか否かであり、経済の減速が企業の財務報告にどのような影響を与えるかである。足元の経済情勢は確実に減速し始めているが、企業全体ではAI関連企業の収益が増加しており、今後も株式市場の活況を維持できるかは企業収益及び景気次第である。また、今年の株式及び為替市場においては米国の金融政策に過度に注意を払う必要はなく、株価への影響は企業業績及び景気次第である。なお、米金利は年末までに0.5%~0.75%ポイントの引き下げが妥当だと考えられており、9月に利下げが実施される可能性は高く、8月に開催されるジャクソンホール会議は重要な指標となる」と述べた。
外貨準備高・為替レートの推移