金融動向
中央銀行は8月23日、最新のマネーサプライを発表した。これによると、外資純流出の増加により、7月のM1Bの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+5.22%、M2の対前年比伸び率は+6.20%となり、伸びが鈍化した。1月~7月のM1B及びM2の対前年比伸び率はそれぞれ+4.83%、+5.96%となった。
7月の株価指数は、823.9ポイント(▲3.6%)の下落となり、外資の株売越し額は3,379億台湾元と2011年以降の同期最大額となったほか、個人投資家も利益確定の動きにより売越しとなったことから、個人投資家の資金動向を表す7月の証券振替決済預金残高は前月比355億台湾元減少の3兆4,764億台湾元と2ヶ月連続の減少となった。一方、7月の月平均の株価指数は23,240ポイントと過去最高となり、市場投資残高は4,701億台湾元と2008年6月以来の最高額となった。中央銀行の担当者は、「7月の月平均の株価指数及び投資残高は引続き上昇したものの株価指数は7月から下落し始め、株価指数及び融資残高はいずれも減少となった。特に、投資残高は7月中旬から減少し、さらに8月は日々減少している情況である」と述べた。また、「2023年第3四半期からAI銘柄の変動は大きくなり、投資家による利益確定の売越しをする動きが始まった。7月の株価指数は上昇基調に好転したが、米国経済見通しの不透明による経済減速の懸念、8月初旬の日本円キャリー取引などは市場のリスク性資産へのマインドの低下から、投資の神様であるバフェット氏もアップル銘柄を大量に売り出した。
しかし、台湾及び国際株式市場が速やかに安定に回復しており、悲観的な見方が緩やかに改善している。域内金融市場における資金は潤沢であり、経済活動の需要に充分対応できる」と述べた。
7月の外資による株式投資比率は32.5%に低下し、国内個人投資家による株式投資比率は54.1%に、国内法人による投資比率は13.4%に増加し、株式相場を支えた。
外国人の株買越し動向を表す外国人による台湾元建て預金残高は2,354億台湾元に増加したものの、前年同月比▲15.58%となった。中央銀行の担当者は、「これは、主に昨年7月の株現金配当額が9,913.9億台湾元に対して、今年は7,583.1億台湾元に配当額が減少したことによるものである」と述べた。
7月の普通預金は24.5兆台湾元、定期及び貯蓄預金は18.8兆台湾元、外貨預金は9.3兆台湾元といずれも過去最高額を更新した。中央銀行の担当者は、「経済が緩やかに拡大し、GDP年間20兆台湾元へと成長していく」との認識を示している。
(注)
*M1A:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の当座預金および流動性預金残高の総額。
*M1B:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1Bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
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