金融動向
中央銀行は7月26日、最新のマネーサプライを発表した。これによると、金融機関の貸出及び投資の増加から、6月のM1Bの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+5.23%となり、M2の対前年比伸び率は+6.25%となった。1月~6月のM1B及びM2の対前年比伸び率はそれぞれ+4.76%、+5.92%となった。
6月の株価指数は、1,858ポイントの大幅上昇となり、過去二番目の最高値となった。外資は株買越しに転じた一方、個人投資家は利益確定の売り越しとなった。
個人投資家の資金動向を表す6月の証券振替決済預金残高は前月比453億台湾元減少の3兆5,099億台湾元と3.5兆台湾元台を維持した。月平均の株価指数が22,449ポイントと過去最高となったことにより、6月の株式市場への投資残高は4,316億台湾元と2008年6月以降の最高額となった。
中央銀行の担当官は、「証券振替決済預金残高及び融資残高とも株価変動の影響を受けるものであり、株価が高値であれば、通常上昇するが、そうならない場合もある。6月の証券振替決済預金残高は依然として高水準を維持しており、域内金融市場における資金は潤沢であり、経済活動の需要に充分対応できる。
6月の株価指数が史上最高値となり、季節平均の預金残高は前月より微増したが、月末には減少傾向となったのは、投資家がリスクを強く意識しているためだと思われる。」と述べた。
6月の個人投資家による株式投資比率は53.6%に減少し、2023年2月以来の最低となった。外資による株式投資比率は33.6%と先月から概ね横ばいとなり、国内法人による投資比率は12.8%に増加し、株式相場を支えた。
外国人の株買越し動向を表す外国人による台湾元建て預金残高は2,015億台湾元に減少した。担当官は、「これは、主に外資による利益確定売りの海外送金によるものである。株価が上昇すれば、外資は利益確定のため株を売却する。足元、外資が株式市場や経済ファンダメンタルズに対するマインドを失ったとは言えない」との見方を示した。また、「主計総処の経済成長率、財政部の輸出データ、中華経済研究院のPMIなどからは堅調なファンダメンタルズと資金の潤沢さを示している」と強調した。
(注)
*M1A:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の当座預金および流動性預金残高の総額。
*M1B:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1Bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
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