金融動向
中央銀行は10月24日、最新のマネーサプライを発表した。これによると、普通預金の増加により、9月のM1Bの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+4.07%となった。一方、外資純流出の増加により、M2の対前年比伸び率は+5.60%となった。1月~9月のM1B及びM2の対前年比伸び率はそれぞれ+4.66%、+5.90%となった。
9月は、株価下落により海外投資家の売越し額が800億台湾元となったことから、個人投資家の資金動向を表す9月の証券振替決済預金残高は前月比53億台湾元減少の3兆4,926億台湾元となった。担当者は、「8月、9月の株価変動が大きく、投資家が慎重な態度を取ったため、証券振替決済預金残高及び取引高はいずれも減少した」と説明した。一方、株式融資残高は4,273億台湾元に増加し、月平均の株価指数は21,891ポイントに上昇した。
株式投資の比率をみると、9月の海外投資家の株式投資比率は8月の35.4%から35.1%に減少し、国内個人投資家の株式投資比率は8月の53.3%から52.4%に減少し、国内法人による投資比率は11.3%から12.5%に増加した。9月の外国人の台湾元建て預金残高は1,990億台湾元と直近7ヶ月の最低額となり、前年同月比+7.23%に低下した。
担当者は、「米総統選の不確実性は高く、台湾の株式市場だけではなく国際的に投資が慎重となっている。加えて地政学リスクの高まりにより、米総統選挙後の政策について様々な考えが出ている。不確実性は大きく、全世界の株式市場が影響を受けている。足元の株式市場に影響を与える四大要因は、第一に、FEDの利上げ方針の変更による金融市場への影響、第二に、地政学リスク及び中東情勢の変化が石油価格及びインフレ見通しに影響を与え、各国中央銀行が金融政策を修正すること、第三に、日本の利上げが円相場を切り上げ、円キャリー取引が市場に影響を与えること、第四に、中国大陸の経済問題が未解決であること」との見方を示している。
(注)
*M1A:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の当座預金および流動性預金残高の総額。
*M1B:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1Bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
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