工業生産動向
経済部統計処は7月23日、最新の工業生産動向を発表した。これによると、6月の工業生産指数は94.09、前年同月比+13.23%と4ヶ月連続のプラス成長となったほか、3ヶ月連続して二桁の成長となった。製造業生産指数は前年同月比+13.50%となった。今年上半期の工業生産指数は前年同期比+10.26%、製造業生産指数は同+10.51%となった。
AI(人工知能)及びクラウドデータサービス等への需要増加、半導体産業の回復による関連設備の需要増、スマホレンズの受注増加などから、パソコン電子産品及び光学製品業の生産指数は136.64、前年同月比+36.07%と12ヶ月連続のプラス成長となり、指数として同月で過去最高となった。また、積体電路業は同+33.55%と6ヶ月連続のプラス成長となった。
一方、自動車及び部品業は前年同月比▲8.15%と六大製造産業うち唯一のマイナスとなった。これは、EV自動車においては需要増加が見られたが、ガソリン小型車において、市場競争の激化及びEV自動車の販売好調に伴う需要の勢いの低下のほか、一部の自動車部品業において在庫調整遅れによる減産があったことによるものである。上半期では前年同期比▲2.54%となった。
経済部の予測によると、7月の製造業生産指数は95~99、前年同月比+13.2%~+17.9%となる見込み。下半期の工業生産指数が継続的に二桁の成長を維持できるかについて、経済部統計処の担当官は、「下半期は消費性電子商品のピーク時期であるため、下半期の工業生産指数は上半期を上回り、且つ四半期ごとに増加していく傾向がある。最終需要の回復状況次第はあるが、二桁成長を維持する可能性はある」との見方を示した。
また、自動車及び部品業の減少幅が下半期において縮小し、プラス成長に好転するかについて、担当官は、「国内の自動車生産及び部品の輸出先は主に欧米であり、メーカーによって在庫調整の周期が異なり、特に、ポストコロナにおいて業者の発注期間は従前のように長期ではなく、保守的になっている。自動車及び部品業の回復は下半期の欧米経済次第であり、足元では判断できない」と述べた。また、「世界の貿易経済は依然として高インフレ高金利の環境にあり、加えて米中科技覇権競争、地政学リスクなどの要素が引続き景気回復力に影響を与えるものの、AI、高速演算(HPC)など新興テクノロジー技術の持続的な発展がハイエンドの半導体製造やサーバーなどの関連サプライチェーンへの需要増加をもたらし、加えて下半期の消費性電子新商品が次々と発売され、製造業生産の持続成長を下支えする見込み」と述べた。
工業生産指数の前年比伸び率(製造業業種別)