物価動向
行政院主計総処は10月9日、最新の物価調査結果を発表した。同調査によると、昨年同期の基準値が台風の影響により高かったことから、9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+1.82%と直近8ヶ月での最低値となった。今後消費者物価は2%を下回る状態を維持するが、中東情勢の緊迫化による石油価格上昇懸念については注視していく必要がある。
総合統計処の担当者は、「7月の台風3号が青果価格の上昇を押し上げたものの、野菜の再耕作が順調であったため、上昇幅が次第に緩和し、加えて卵、テレビ、ガソリン代の下落により、9月のCPIは2%台を下回ったほか、9月のコア物価も1.79%と6ヶ月連続して2%を下回り、天候要因による物価変動を除けば、物価は安定している。また、9月の外食価格、家賃は安定し、大幅な上昇はなかった」と説明した。また、「国民生活に深く関連する電気料金は、値上げが凍結されており、消費者物価に影響はなかった。業務用電気料金の値上げによる間接的な影響について、台湾電力公司の予測によれば0.03%ポイントであり、大きな影響はなかった」と述べた。
世界各国の消費者物価についてみると、日本が3%台の高水準を維持した以外、多くの国は3%台を下回り、うちユーロ圏、韓国及び台湾は2%を下回り、各国のインフレ圧力は明らかに緩和した。台湾の消費者物価が長期平均値まで下落する時期について、担当者は、「台湾の過去10年の平均インフレ率は1.2%であり、この数値まで下落するのは時間を要する」と述べた。
主要国の民間消費が依然として力強さを欠いているため原材料価格が下落したことから、輸入物価(米ドルベース)は前年同月比▲1.98%と23ヶ月連続のマイナスとなった。生産者物価(PPI)は前年同月比▲0.33%となった。関心が集まる石油価格の動向について、9月のOPEC先物価格が1バレル73.6米ドルまで下落したものの、中東情勢の緊迫化により、足下では78.5米ドルに上昇しており、今後の動向に注意を払うべきである。
10月を展望すると、担当者は、「台風18号が青果価格を押し上げたものの、昨年同期も台風襲来のため基準値が高かったことから、10月の青果価格の年増加率は依然として2%を下回る見込みだが、中東情勢の緊迫化により石油価格が上昇し、今後の物価動向に影響を与え得る」との見方を示した。
物価動向