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令和三年度天皇誕生日祝賀レセプション 泉裕泰代表挨拶

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 本日は、天皇誕生日祝賀レセプションにお越しいただきありがとうございます。天皇陛下は明日23日、満62歳のお誕生日をお迎えになります。本日は、台湾の政界、経済界、文化界から錚々たる方々にご出席いただいております。ご多忙の中、これだけの皆様にご参加いただけたことは、現在の素晴らしい日台関係をそのままあらわしているように思います。本日は皆様にご出席いただいたことに改めて心からの感謝を申し上げます。

 私は元号が令和に代わった2019年に台北に着任しました。残念ながら一昨年と昨年は、世界的な新型コロナウイルスの流行を受け、天皇陛下の誕生日を祝賀するレセプションを行うことができませんでした。今日こうして2年越しで令和最初の天皇誕生日祝賀レセプションを行えることを心より嬉しく思います。こうしてレセプションが行えるようになったのも、ご列席の台湾政府をはじめとする皆様方のご尽力、そして台湾全ての方々の防疫努力の賜であり、はじめに心よりの敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 思い返せばこの2年間で世界は大きく変動しました。新型コロナウイルスの流行により、人々の往来は途絶え、多くの人々が家族、友人、愛する人との別離を余儀なくされました。そのような中で、台湾が新型コロナウイルスの防疫に大きな成果を上げたことは、強権的な手段によらずとも新型コロナウイルスの抑制は可能であることを証明するものであり、民主主義諸国の民衆に大きな希望を与えました。更に、国際社会が新型コロナウイルスに苦しむ中、台湾が見返りを求めることなく豊富なマスク等の医療物資をこころよく各国に提供したことに、国際社会は大きな感銘を受けました。その後台湾がワクチンの供給不足に直面した際には、そのお返しに多くの国々が台湾へのワクチン供与を表明しました。これは日本のことわざで言う「情けは人の為ならず」、即ち台湾の示した無私の善意がことごとく世界中で反響し、「善意の連鎖」となって台湾に返ってきた結果ではないかと思います。

 今、国際社会の台湾への関心は大きく高まっております。今やニュースで「台湾」の二文字を目にしない日はないほどです。これほどまでに台湾が世界の注目を集めたことはかつてなかったのではないでしょうか。これは、文明世界の一員としての台湾のたゆまぬ努力と、ソフトパワーに代表される台湾の「善の力」によりもたらされた、国際社会からの純粋な賞賛です。このようなかかわりの中で、多くの台湾の人々が台湾、そして自らのアイデンティティについて、よりいっそうの自信を持つようになったことを、我々としても大変心強く、またうれしく思っています。今年も国際社会の中での台湾の位置づけは益々重要性を益していくことを私は確信しています。

 この2年間、日本と台湾との関係はかつてなく強まりました。心からお互いのことを気遣い、無私の援助を差し伸べ合う日台の友情は、人の往来が途絶えた中でも、日台に多くの新たな絆を生みました。そして今年2022年は、当協会の設立50周年の年です。この半世紀、日台の関係は進化しつづけてきました。次の半世紀も、日台は更に輝く未来に向かって並んで歩き続けることができると、信じています。100年続く友情の、今はまさに中間地点と言えましょう。日本にとってかけがえのない友である台湾と、ここからまた一緒に扉を開け、明るい未来の歴史をつくっていくことが私たちの念願するところです。

 この50年間、日台関係は非公式の実務関係という枠組みの中でも一つ、また一つと歩みを進めて参りました。思えば、本日行っている天皇誕生日レセプション、そして本日はこれまでに叙勲をされた方々にも多くご列席していただいておりますが、これらも先人たちの努力により一歩一歩実現してきたことです。現在我々が享受している良好な日台関係も、この50年間、そしてそれ以前から日台の友情のために心を砕いて頂いた日台双方の人々の想いの積み重ねのもとに成り立っていることを思い起こし、自らもその礎の一石にならなければとの決意を新たにしております。

 これからも天皇陛下が長くご健康でおられることを心から祈念し、そして、今年が日台の更なる半世紀に向けた躍動の年となること並びに皆様方の益々の御健勝を心より願いつつ、私のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。