当所文化ホールにて東日本大震災9周年追悼感恩会を行いました。泉代表挨拶は以下の通りです。
邱義仁 台湾日本関係協会会長
ご臨席の皆様
本日は東日本大震災9周年追悼感恩会にご参集いただきありがとうございます。
現在,全世界で新型コロナウイルスを克服するための懸命な努力が行われています。こうした中,本日の追悼感恩会も,規模を大幅に縮小して実施する運びとなりました。
あの未曾有の大震災から9年の時間が過ぎました。震災で亡くなられた方々に心から追悼の意を表するとともに,支援をして下さった台湾の皆様に改めて感謝の意を表したいと存じます。
9年前の当時,台湾全土の皆様から多大なるご支援,そしてそれ以上に心からの励ましをいただきました。台湾の皆様の温かさと想いは私たち日本人の心に刻み込まれています。
そして,東北はしっかりとした足取りで復興の歩みを続けております。
日本と台湾の共通の英雄,王貞治さんはこうおっしゃっています。
「ときには嵐のような逆風が人を強くする。」
嵐を克服した東北は強く,そして更に魅力的になりました。例えば,岩手,宮城,福島三県には酒造会社が計110社ありますが,震災でその多くが被害を受けながら,1社も閉鎖せず日本酒をつくりつづけています。
昨年,東北六県を訪れた外国人観光客は,震災前の約3倍まで増えました。福島県の農産物の海外への輸出も,震災前の約1.4倍まで増え,世界中で楽しまれています。
何よりも嬉しいことは,東北六県すべてにおいて,台湾からの訪問客が最多という事実です。台湾の皆様が今も引き続き東北に心を寄せてくださっていることに,深い喜びと感動を感じます。
しかしながら,他方において,東北はまだ復興に向けての闘いに追われています。昨日,被災地の福島県でこれまで頑張ってきた老舗旅館がついに倒産してしまったとのニュースがありました。
東日本大震災,原発事故,そして暖冬によるスキー客の激減に耐え抜いてきましたが,昨今のコロナウイルスの蔓延による観光客の減少によってこれ以上立ちゆかなくなってしまいました。今日のこの祈りの場において,被災地の苦しみがなお続いていることにも思いを致さねばなりません。
さて,来年は,東日本大震災10周年を迎えます。私はこの節目の年を非常に重視しています。台湾の皆様に改めて感謝をお伝えし,元気な東北の魅力を知っていただくとともに,日台間の友情を更に深める一年となるよう,今から準備を進めていきたいと思っております。
今,全世界が新型コロナウイルスというチャレンジに直面しています。感染症との闘いにおける台湾の取組みに心からの敬意を表します。被災地も困難な中で頑張っています。「夜明けの来ない夜はない」との信念を持って,日本と台湾,そして全世界が共に手を携えてこの苦境を乗り越えて行けるよう,引き続き努力してまいります。
最後に,本日ご多忙の中,お越しくださった皆様に心からの感謝を申し上げて,私のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。