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台北事務所:令和4年度天皇誕生日祝賀レセプション

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 日本台湾交流協会台北事務所は、2月21日(火)、台北市のオークラ プレステージ台北において、天皇陛下の63歳をお祝いする天皇誕生日祝賀レセプションを開催いたしました。レセプションには、日台関係を支えて下さっている多くのご来賓にご出席いただき、天皇誕生日をお祝いしました。コロナ禍で中断していた祝賀レセプションは昨年から再開され、本年で令和2度目の開催となりました。

 泉裕泰当所代表の挨拶は下記のとおりです。

 鄭文燦・行政院副院長、蘇嘉全・台湾日本関係協会会長、王金平・元立法院長、頼浩敏・元司法院長をはじめ、たくさんのご来賓の方々に御臨席賜り誠に有難うございます。また、游錫堃・立法院長が後ほど駆けつけて下さると伺っています。そして、歌手で版画家のジュディ・オングさんもご出席くださり、彩りを添えていただいております。
本日ここに、皆さまとともに天皇陛下の御生誕を寿ぎ、63歳のお誕生日を祝う、かくも華やかな慶賀の集いを挙行する光栄に浴するものであります。

 また、本年4月には、今上陛下のご祖父にあたる昭和天皇が、皇太子殿下であらせられた大正12年に台湾を行啓され、台湾本島各地をくまなく見聞された慶事からちょうど100年を迎えます。
 奇しくも同じ年、台湾の民主化に多大な貢献をされた李登輝元総統がお生まれになり、本年は生誕100周年であります。
 日本のご皇室と台湾のご縁深き記念すべき年が、日台ともにコロナ禍を克服し、コロナ以前の正常な世界を取り戻す記念すべき年になることを願ってやみません。

 このような節目の年、私も台湾に着任してから4年目を迎えることとなりましたが、この間、台湾が置かれた国際社会に目を向けると、特に台湾の国際的な地位の変化には非常に大きなものがありました。
 私が着任した頃ですが、当時は台湾の重要性を現在ほど感じていない国が数多くありました。特に、台湾から遠く離れたヨーロッパの国々の間には、「台湾がなぜ重要なのか」という共通認識さえまだ出来上がっていませんでした。
 あの当時、あるヨーロッパのある国の代表が「なぜそれほどまでに台湾が重要なのか」と私に尋ねてきたことを思い出すと、台湾の重要性が国際社会において飛躍的に高まった現在と隔世の感を覚えずにいられません。

 また、この3年あまりの間、世界がコロナ禍によって経済成長をマイナスに停滞させるなか、台湾経済は順調な成長を見せるとともに、台湾の誇る半導体製造は、今や世界のサプライチェーンにおいて欠くことのできない重要な地位を確立しました。
 まさに台湾はこの数年の間、見事に世界の対台湾認識を一変させ、台湾の国際社会におけるステータスをさらに高いステージに押し上げたのです。

 現在、日本と台湾の関係は過去最良と感じています。昨年、当協会が行った台湾での世論調査では、日本に対して親しみを感じると答えた台湾の人々の割合が77%となりました。また、日本で行われた調査では、やはり76%の日本人が「台湾に親しみを感じる」と答え、3年前の調査と比べても増加しています。民主主義や自由、人権や法治といった普遍的価値を共有する日本と台湾の関係はかつてなく重要であり、もはやかけがえのないパートナーとなったのです。

 しかしながら、日台を取り巻く国際情勢に目を向けると、よもの海がみなはらからであることを願った明治天皇の御製とは裏腹に、波風のたちさわぐ事態ばかりと言わざるを得ません。
 昨年2月にはロシアによるウクライナ侵攻が勃発し、立ちのぼる戦火は一年が過ぎた今もなお消えておらず、台湾と中国の関係においても、昨年8月には米国のペロシ下院議長が台湾を訪問したことに反発し、中国が大規模な軍事演習を行うとともに、発射されたミサイルが日本の排他的経済水域に落下して日台のみならず世界を震撼させるなど緊張状態が続いています。

 このような厳しい環境のなかで、私は、現在の良好な日台の関係をさらにより発展させるためには、経済の面からも台湾を支援していくことが必要と考えています。それは、台湾の生存にとって重要であり、必要不可欠なCPTPPへの加盟です。
 台湾の経済の独立性を一層確保するとともに、各種の多国間貿易体制が成立していくなかで、台湾もそのような多国間貿易の枠組みに着実に組み入れられていくことは、決して単なる国際的な経済枠組みへの参加ではなく、台湾が現状を維持し、生存を確保していくために必要な体制であると考えます。
 私は、台湾のCPTPP加盟が実現するために、微力ではありますが全身全霊をかけて出来る限りのお手伝いをしていきたいと思っています。

 昨年、日本台湾交流協会は設立50周年を迎えましたが、私は常々、この50年はこれからの日台100年の友情の折り返し地点に過ぎない、と申し上げてきました。
 すでに10月からは日台の水際政策が緩和され、アフターコロナ時代の到来を思わせる往来の自由化が始まりました。
 まだコロナ以前の水準には及ばないものの、年末年始や春節期間中の日台間の航空便は、この日を心待ちにしていた人々でどれも満席だったと聞いています。日台双方の人々が往来することで直接に相手を知ることこそ、現在の友好関係をよりいっそう促進させるものでありましょう。
 令和5年が、いよいよアフターコロナに向けて本格的に始動する年になることを期待するばかりです。

 本日、ご臨席の皆さまには、当協会設立50年を記念して作成し、昨日刷り上がって届いたばかりの記念写真集をお配りいたします。どうかお持ち帰りいただき、たくさんの懐かしい写真で日台の50年の歩みを振り返るとともに、ご家族やご友人と思い出話に花を咲かせていただきたいと思います。

 本日のレセプション挙行にあたっては、ホテルオークラ台北の全面的なご協力をいただいております。
 また、北海道、福島県、静岡県、大分県、沖縄県、茨城県笠間市の各自治体、全農、キリン、日本ハム、PILOT、久光の各企業様からはブース出展や物品のご提供など、多大なご協力をいただいたことで、よりいっそう華やかなレセプションとなりました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
さらに、公邸からは料理人がお寿司を現場で握る屋台を出しております。後ほど皆さまにぜひ召し上がっていただきたいと思います。

 当協会設立から51年目を迎え、いよいよ日台友情100年への一歩を踏み出した令和5年、天皇陛下の御生誕を寿ぐレセプションがかくも盛大に開催されますことを改めてお慶び申し上げます。
 皆さまとともに天皇皇后両陛下ならびに上皇上皇后両陛下のご健勝とご長寿、ご皇室の弥栄と、わが国のますますの発展、ならびに日台関係のさらなる前進を衷心より祈念して私の挨拶とさせていただきます。