今回は、横山紀子先生(国際交流基金日本語国際センター専任講師)を講師にお招きし、「聞くことを教える」をテーマに、研修会を行いました。
日時:2007年5月20日(日) 13:30~17:00
参加者:台湾の日本語教育関係者・大学院生 60名
配付資料 :「聴解指導法」 (PDFファイル:Acrobat Readerが必要です)
ポスター発表:「前作業(グループ1~4)」 「後作業(グループ5~10)」
今回は、日本語学習が始まったばかりのときから取り入れられる聴解の指導法について、講義とグループワークを交えて研修会が行なわれました。まず、日常生活の聴解を振り返り、普通は対面聴解が多いこと、聴くだけではなく書いたり話したりという作業も伴うこと、全ての言葉が理解できるわけではないことなどを確認しました。また、外国人が日本の郵便局に荷物の送り方を問い合わせる会話を聞き、どのような聴解ストラテジーを用いているのかを考えました。そして、言語習得において「聞く」ことがいかに大きな要素であるかを再認識し、Krashenの「i+1」のインプット理論を教師が効果的に提示し、聴解指導の際に組み入れていくことの大切さがわかりました。
次に、初級聴解タスクの学習体験を通じて、「前作業」「本作業」「後作業」というタスクとは何か、何のためにそのタスクを行うのかなど、学習効果について話し合いました。「+1」である未習語があっても聞き取りのタスクはこなせるのだということが、実感できる学習体験でした。最後に、「お仕事は何ですか」というインタビューの聴解練習の「前作業」と「後作業」の質問やタスクをグループで考え、ポスター発表をしました。色々なグループのアイディアを見ることで、聴解練習における様々なタスクの可能性が広がり、質疑や意見交換が活発に行われた研修会となりました。
(講師の横山紀子先生)
