中央銀行が11月25日に発表した最新のマネーサプライによると、10月のM1aの伸び率は+11.19 %、株式市場の資金動向に関連するM1bの伸び率は比較となる昨年の水準が高かったため10ヶ月連続の低下の+10.05%となった。資金供給全体を表すM2の伸び率は外資の流入等により+4.8%と5ヶ月連続の上昇となった。1~10月の平均では+4.48%となっており、中央銀行の目標レンジ(2.5%~6.5%)の中間値に近づいている。
M1bとM2の伸び率との差は僅か5.25ポイントに縮まっているが、M1b の伸び率がM2の伸び率を下回り、資金供給の不足により株価が下落させる可能性のある「デットクロス」現象が発生するか否かについて、陳一端・中央銀行経済研究処副処長は、資金移動の速度からみると、今年年末までに「デットクロス」現象を発生する懸念はなく、10月末の証券振替預金残高は1.3兆元台、M1bの月中平均額は11兆元台となっており、資金環境は引き続き潤沢な状態であると指摘している。
銀行関係者は、10月末の証券振替預金残高は前月比19億元減少の1.3兆元となったものの、10月の1日あたりの平均増加額は134億元となっており、株式配当の振込みのほか、株式市場に対する期待がまだ存在していることによるものであると分析している。一方で、5大都市選挙や南北朝鮮関係の悪化もあり、株価指数は調整期に入っており、大幅な上昇を期待することは難しい状況であるとも分析している。
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