経済部統計処は8月24日、最新の工業生産動向を発表した。
一.工業生産動向
1.7月の工業生産指数は111.84、前月比+0.06%となり、うち製造業は同▲0.07%となった。季節調整後の工業
生産指数は前月比▲0.09%、製造業生産は横ばいとなった。
2.工業生産は前年同月比+2.38%となり、うち製造業は同+2.94%となった。鉱業及び土石採取業が+7.57%、
電力及び燃料供給業が▲6.88%、用水供給業が+3.23%、建築工事業が▲9.12%となった。
二.製造業生産統計
1.電子部品業
生産指数は142.50、前年同月比+5.64%となり、指数としては7月で過去2番目の高水準となった。これは主に
消費性電子産品及びモバイル装置の在庫積み上げのための需要増加が、ウェハー(半導体製造の材料)の委託生
産、ICパッケージ、IC製造などの増産を押し上げたことによるものである。1~7月の累計では、前年同期比+
8.58%となった。
2.化学材料業
生産指数は114.17、前年同月比+1.02%となり、指数として7月で過去2番目の高水準となった。これは主に国
際石油価格の安定、石油化学原材料の需要回復、加えて一部工場の点検が終了し、生産量が増加したことによるも
のである。1~7月の累計では、前年同期比+1.39%となった。
3.基本金属
前年同月比+2.50%となった。これは主に昨年一部の鉄鋼工場における設備更新による基準値が低かったこと、
コイル状線材及び銅箔への需要増加によるものである。1~7月の累計では、前年同期比+3.26%となった。
4.パソコン電子産品及び光学製品業
前年同月比▲7.26%となった。これは主にVR装置、スマートウォッチの購買意欲の低下、ミドルエンド及び
ローエンド装置の減産、SDD(フラッシュドライブ)、USBの材料不足による減産が持続したことによるものであ
る。1~7月の累計では、前年同期比+6.07%となった。
5.機械設備業
前年同月比+8.24%と9ヶ月連続のプラス成長となった。これは主に世界のAI製造のトレンドにおける自動化設
備への需要増加が、ボールねじ、リニアガイドなどの増産を押し上げ、加えて末端電子産品の応用及び規格の急速
な更新により、半導体及びその他電子生産設備の増産が継続したことによるものである。1~7月の累計では、前年
同期比+9.24%となった。
6.自動車及びその部品業
前年同月比+2.75%となった。これは主に新旧買い替え補助政策の効果が次第に減少しつつ、自動車生産が前年
同月比▲13.33%となり、自動車関連部品の生産に影響を与えたことによるものである。一方、自動車のサスペン
ションや車用ライトは外需の活況により増産し、一部の減少幅を相殺した。1~7月の累計では、前年同期比
▲1.31%となった。
総合分析
1.7月の製造業生産指数は113.45、前年同月比+2.94%となり、15ヶ月連続のプラス成長となった。1~7月の累
計では前年同期比+4.47%と過去3年の同期における最大の増加幅となった。特に電子部品業、機械設備業はそれ
ぞれ+8.58%、+9.24%の大幅増となった。
2.業種別についてみると、7月の電子部品業は前年同月比+5.64%と製造業生産の増加に大きく寄与した。これは
主に消費性電子産品及びモバイル装置の在庫補填の需要増加が、ウェハーの委託生産、ICパッケージ、IC製造な
どの増産を押し上げたことによるものである。機械設備業は同+8.24%と9ヶ月連続のプラス成長となった。これ
は主に、世界のAI製造のトレンドにおいて、自動化設備への需要が増加したことによるものである。基本金属業は
コイル状線材及び銅箔への需要増加により同+2.50%となった。化学材料業は石油化学原材料の需要回復、一部工
場の点検が終了したことにより、同+1.02%となった。一方、パソコン電子産品及び光学製品業はVR装置、ス
マートウォッチの需要低迷、ミドルエンド、ローエンド装置の減産により同▲7.26%となった。また、自動車及
び部品業は新旧買い替え補助政策の効果が次第に減少しつつあることにより、同▲2.75%となった。
3.先行きを展望すると、世界経済の安定的な回復に伴い、各メーカーのモバイル装置が次々と発売となり、IOT、
車用電子、人工知能、高速演算技術などの新興応用技術の持続的拡大、及び、中国大陸の十一連休(10月1日から
の連休)による在庫補填の増加などにより、第3四半期の製造業生産は、昨年第2四半期以降の増加トレンドを維持
すると見込まれる。
工業生産指数の前年比伸び率(製造業種別)[PDFファイル] [75KB]