アジア国際子ども映画祭は、子どもたちが自ら制作した3分間の映像作品をコンテストする映画祭です。近年、子どもたちを取り巻く環境は、非行やニート、いじめ、青少年犯罪といった様々な問題を抱えています。この映画祭は、こういう時代を生きる子どもたちに少しでも夢や希望を与えたいという想いから生まれました。
2007年から開催しており、今年度で14回目となる今回はオンラインプログラムとして、過去の入選作品の鑑賞や、他国の参加者との交流、南あわじ市の紹介、映像制作の講義を通して、映像製作だけでなく、広く日本に対する関心・理解を深めました。
(対象:ブルネイ、カンボジア、中国、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、東ティモール、ベトナム、日本)
【開催概要】
実施日:第1日目 2022年3月8日(火)日本時間16:00〜/台湾時間15:00〜
第2日目 2022年3月9日(水)日本時間16:00〜/台湾時間15:00〜
第3日目 2022年3月11日(金)日本時間16:00〜/台湾時間15:00〜
テーマ:第14回アジア国際子ども映画祭
参加者:台湾の高校生 計7名
【第1日目の様子】
1日目、参加者は過去の映画祭の受賞作品を鑑賞し、他国の参加者と感想を発表し合いました。過去作品は「迷惑をかけることとは?~自分だけが良ければいいか?人のことも考えてあげられるか?~」というテーマで作られた13作品を鑑賞しました。台湾の高校生はブルネイとモンゴルの高校生とそれぞれグループになり、感想を発表しました。台湾の高校生は「台湾の先輩の作品が入賞していて驚いた。とても刺激になったので私も頑張りたい」と想いのこもった感想を発表していました。
【第2日目の様子】
2日目、南あわじ市商工観光課観光交流・施設室の土居正典室長から南あわじ市の魅力について学びました。南あわじ市の雄大な自然や観光地、食について紹介していただいた後、伝統産業である淡路瓦の瓦割りの実演、クイズを通して楽しくお話いただきました。瓦割りの際には有名な観光地であるイングランドの丘のキャラクターの「こあらん」も登場し、参加者はおおいに盛り上がりました。
【第3日目の様子】
3日目は、日本の映画監督であり、東京芸術大学大学院教授でもある諏訪敦彦様から「映画作りのヒント」というテーマでお話しいただき、映画作りについて学びました。実際の映像作品を見ながら、映画で大切なことは、結論を見せることではなく、登場人物の感情や様子が変化していく過程を見せることで見ている人の体験を作り出すということや、映画の映像には「ありのままを見せる」、「見えないものを想像させる」という2つの働きがあるということなどを学びました。
参加者からは「俳優に求めるものは何ですか?」「映画監督を目指す私たちが今できることはなんでしょうか?」「映画監督をするときに注意すべきことはなんでしょうか?」と現役の映画監督に質問できる良い機会に積極的に質問している様子が印象的でした。
この3日間を通して、普段交流できない他国の高校生や有名な映画監督のお話を聞き、参加者にとって、とても有意義な時間になったと思います。今回のプログラムをきっかけに、さらに日本に関心を持っていただくことを期待します。
(*)【対日理解促進交流プログラム「JENESYS2021」について】
対日理解促進交流プログラムは、日本と大洋州、北米、欧州、中南米の各国・地域との間で、対外発信力を有し、将来を担う人材を招聘・派遣し、政治、経済、社会、文化、歴史及び外交政策等に関する対日理解の促進を図り、外交基盤の拡充を目的とした外務省の事業です。
「JENESYS2021」は上記プログラムのうちアジア大洋州各国・地域を対象とした事業です。