中央銀行は2月24日、最新のマネーサプライを発表した。それによると、1 月のM1aの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+8.91%となった。M1bの対前年比伸び率は+6.92%とM2の対前年比伸び率+5.63%を上回り、ゴールデンクロスが5ヶ月続いた。
中央銀行の官員は、「M1bの対前年比伸び率が上昇(前月6.37%→今月6.92%)した主因は、昨年基準値の低下や旧正月に向けた資金需要の増加によるものである。また、M2の対前年比伸びが下降(前月5.68%→今月5.63%)した原因は主に、外資の流出、銀行貸出及び投資の伸び悩みによるものである。1月の外資流出額は10.19億米ドルとなり、個人投資家を代表する証券振替決済預金残高は354億元の大幅減となった。これらは株式市場の低迷が投資意欲に影響を与えたことを反映している。」と説明した。
中央銀行は、「1ヶ月の数字で見ることは客観的ではなく、1~2月の変動で観察すべきである」と強調した。
1月の外貨預金は4.79兆元で、前年同月比+15.35%と金額としては過去最高となった。これは主に、米国経済が世界の中において相対的に良くなり、今後も引き続きドル高が維持される見込みであることが要因。中央銀行の官員は、「昨年下半期から外貨預金が次々と米ドルにシフトし、多くの業者はドル高の予測により米ドルを中心に資産配置を行った」と指摘した。
1月の株式市場が低迷していたものの、外国人による台湾元預金残高は昨年12月の1,778億元(ここ2年の最低)から2,002億元(前月比224億元増)と減少せず増加した。
これについて、中央銀行の官員は、「1月の外資が株売越しとなったものの、資金を全部海外に送金せず台湾元建て預金にストックした。2月の旧正月明けに外資資金が株売越しから買越しに反転し、23日までの流入額が10億米ドルとなった」と述べた。
また、中央銀行は、「国際的な不確定要素が依然として多く存在し、米利上げが延期されたが、台湾を初め世界主要国家は引き続き金融緩和策を実施していることから、M2の対前年比伸び率がレンジ内で推移すること、及び各国の金融政策の動向に注意を払う」と強調した。
(註)
*M1a:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の小切手預金および非定期性預金残高の総額。
*M1b:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
金融動向表[PDFファイル] [56KB]