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日本台湾交流協会設立50周年祝賀レセプション

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 12月1日、日本台湾交流協会は設立50周年を迎え、台北市内において記念レセプションを開催しました。レセプションには、日台関係を支えて下さっている多くのご来賓の方々にご出席いただきました。
 日本台湾交流協会は、今後も日台関係のさらなる前進のために努力して参ります。

 泉裕泰当所代表の挨拶は下記のとおりです。

 会場にお集まりのご来賓の皆さま、こんばんは。

 2022年の暦も残り一枚を残すのみとなりましたが、本日ここに多くの来賓の方々をお迎えし、日本台湾交流協会設立50週年の記念レセプションを盛大に執り行えることとなりました。これもひとえに、皆さまからの当協会へのご支援やご指導に加え、これまでの日台双方の諸先輩方のご苦労の賜物であり、ここに改めて感謝を述べたいと思います。

 50年、その歩みを振り返れば決して平坦なものではありませんでした。1972年12月に当協会が設立された当時の日台関係から鑑みるに、どん底からの出発であったと言っても過言ではありません。

 非政府間の実務関係に移行した日台関係を担うため、日本側には交流協会が、台湾側には亜東関係協会が設立され、我々の先達は手探りの状態から出発しました。制約の多いなか、少しでもよりよい日台関係の発展を模索し、もがき続けた先達の労苦は決して忘れられるべきものではありません。

 この50年の間、日台を取り巻く国際情勢は大きく変貌を遂げ、また現在もなお時々刻々と変化を続けています。世界では、戦後長らく続いた冷戦が終結し、「歴史の終わり」とも称され、民主主義と資本主義自由経済が勝利し、平和と自由が謳歌されていくものと思われました。

 事実、台湾は1990年前後から、民主化への階段を一歩ずつ着実に上り始め、権威主義の体制から抜け出し、今日の民主台湾を確立させ、世界から称賛を受けました。

 しかし、その一方で世界は「文明の衝突」とも称された2001年の911同時多発テロを契機に、再び暴力と混沌が支配する状況へと引き戻されました。今年に入っても、ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル発射、中国による台湾に対する軍事威嚇の増大など、世界中で緊張状態が続いています。

 私が2019年に台湾へ着任してちょうど3年が経ちましたが、私は、台湾が中国から経済面や軍事面から圧力を受けながらも、現状を維持していくためには、台湾の人々が台湾について自信と誇りを持つことによって、台湾アイデンティティを強化していくことが何よりも大切であると考えるようになりました。

 わずか3年前、私が着任した頃ですが、当時は国際社会における台湾の重要性を現在ほど感じていない国も、例えばヨーロッパにおいてすらも、数多くありました。例えば、「台湾がなぜ重要なのか」という共通認識さえまだ出来上がっていませんでした。

 しかしこの3年あまりの間、私の目には台湾の重要性が国際社会において飛躍的に高まるとともに、台湾の人々が台湾人であることにますます自信をつけているように映ります。

 世界的コロナ禍で日本や欧米各国がその経済成長をマイナスに停滞させるなか、2020年には台湾だけが3%台のプラス成長を確保し、2021年には驚異の6.28%を記録しました。また、台湾の誇る半導体製造は、今や世界のサプライチェーンにおいて欠くことのできない重要な一端を担っています。

 まさに台湾はこの3年あまりの間、見事に世界の対台湾認識を一変させ、台湾のアイデンティティを高めるとともに、台湾の国際社会におけるステータスをさらに高いステージに押し上げたのだと思います。

 2020年7月には、私が心から尊敬する李登輝元総統が世を去られ、さらには、本年7月、李登輝元総統とともに日台関係を引っ張って来られた安倍元総理が非業の死を遂げられました。日台関係は、李登輝元総統と安倍元総理という、二つのエンジンを相継いで失ったかのようでした。しかし、私たちはここで立ち止まる訳にはいきません。

 現在、日本と台湾の関係は過去最良とされ、本年、当協会が行った台湾での世論調査では、日本に対して親しみを感じると答えた台湾の人々の割合が77%となりました。また、昨年日本で行われた調査では、やはり76%の日本人が「台湾に親しみを感じる」と答えています。

 激動の国際社会において、民主主義や自由、人権や法治といった普遍的価値を共有する日本と台湾の関係はかつてなく重要であり、もはやかけがえのないパートナーとなりました。

 2005年に行われた愛知万博をきっかけに実現した、台湾の方々に対するノービザによる日本入国は、日台間の往来を画期的に増加させ、世代を超えた相互理解に大きく寄与することとなりました。

 2007年には、幾多の困難を乗り越えて台湾新幹線が開業し、台湾の南北を一日生活圏へと変貌させ、ビジネスやレジャーのあり方を一変させました。これまで日本国内と同様に大きな事故もなく安全運行が続けられてきた台湾新幹線は今や日台友好のシンボルとなっています。

 2011年の東日本大震災発生直後から、台湾の人々が寄せてくださった有形無形の支援とお気持ちは、10年以上が経った現在もなお私たち日本人の心に深く刻まれています。世界を見渡しても、隣同士の関係が日本と台湾のようにかくも良好に保たれている例を知りません。

 これほどまでに日本と台湾が強い絆で結ばれた素晴らしい時期に、日本台湾交流協会台北事務所の代表として台湾で仕事ができることに無上の喜びを感じています。私はこれまで50年の長きに亘り、日台双方の先人たちが苦労して築き上げ、お互いを思いやって育んできた信頼と友情の絆は世界に誇る堅牢なものと信じています。日台の関係は文字通り「唇亡びて歯寒し」の言葉どおり、一方が欠ければ他方も存在しえない、代えがたいパートナーなのです。

 日本と台湾はこの先の100年を見据えてともに未来を語り合うことの出来る間柄です。今後もよりいっそう交流を深め、日本と台湾の友情が末永く続いていくことを願ってやみません。

 先人たちから松明を引き継いだ私たちから、また新しい次の世代へと、未来に向けて友好の松明が次々と引き継がれていくことを心より願い、私の挨拶とさせていだきます。本日は誠に有難うございました。

大橋会長挨拶