中央銀行は8月24日、最新のマネーサプライを発表した。それによると、7月のM1aの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+6.34%となった。M1bの対前年比伸び率は5月の+6.09%から+5.66%に下降した。M2の対前年比伸び率は+6.06%に下降し、中央銀行の目標レンジ(2.5%~6.5%)範囲内に戻ったが、M1bの伸び率がM2の伸び率を下回る「デッドクロス」が7ヶ月連続となった。両者の差は0.4ポイントに縮小したものの、ゴールデンクロス(M1bの伸び率がM2の伸び率を上回る)に逆転できなかった。1~7月の、M1bの対前年比伸び率は+5.83%となり、M2の対前年比伸び率は+6.41%と目標レンジ範囲内にある。
中央銀行の官員は、「外資資金が2ヶ月(6月22.45億米ドル流出、7月33.5億米ドル流出)連続して流出となり、加えて銀行の貸出及び投資が伸び悩みとなったことから、M2の対前年比伸び率が目標レンジの範囲内に戻り、M2の対前年比伸び率も引き続き下降した」と説明した。
また、最近の株価の下落などの金融環境に対し、中央銀行の官員は、「政府は対応策を考えるが、台湾の外貨準備高は多く、外債も少なく、資金の流動性が十分であり、経常収支が黒字となっていることから、株価の下落は国内金融の安定に影響を与えない」と強調した。
(註)
*M1a:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の小切手預金および非定期性預金残高の総額。
*M1b:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
金融動向表[PDFファイル] [55KB]