金融動向(3月分)
中央銀行が4月26日に発表したマネーサプライによると、3月のM1aの伸び率は+18.28%、M1bの伸び率は+21.57%、M2の伸び率は+4.58%となり、3つの指数の伸び率とも前月より低下した。特に、株式市場への資金動向に関連するM1bの伸び率は3ヶ月連続の低下となったほか、3月の月中平均M1b 及びM2の前月比は▲1.09%、▲0.01%となり、2月によりも貨幣数量が低下した結果となった。
陳一端・中央銀行経済研究処副処長は、今年に入ってM1bの伸び率が低下していることについて、貨幣の絶対数量が減少しているわけではなく、比較基 準となる昨年の水準が高ったことや旧正月後による通貨の流通量の減少により伸び率が低下しただけであり、3月末のM1bの金額は10.52兆元であることや個人投資家の投資指標である証券振替決済預金残高が前月比474億元増加の1.1721兆元となっていることから見ても資金供給は依然として潤沢であり、株式市場の動向に影響を与えるに至っていないことを強調するとともに「(マネーサプライは)伸び率より絶対金額を見るべき」という新しい分析方法を主張した。
3月の外資純流入額は35.78億米ドルと2009年10月以来最大の増加幅となったにもかかわらず、3月の外資資金の台湾元建ての預金残高は前月比65億元減少の1,992億元となったが、陳・同処副処長は、3月の外資による株の買越額が1,131億元に達しており、外資資金の台湾元建ての預金残高の減少は外資資金が株式市場に投資した結果であると分析している。
なお、3月下旬に行われた中央銀行理監事会議では、従来採られていた量的金融緩和政策の終了が宣言され、中央銀行が市場からの資金吸収を継続的に実施していることから、3月の超過準備金は231億元まで減少し、2008年9月以来の最低水準となっており、M1b及び M2の伸び率が
低下しつつあることは将来的な趨勢との見方となっている。
金融動向 表(PDFファイル)