10月26日、当協会は、駐日台北経済文化代表事務所、米国在台湾協会、豪州駐台弁事処と共催で、「法の支配に基づく持続可能な海洋」をテーマとした「グローバル協力訓練枠組み(GCTF:Global Cooperation and Training Framework)」のハイブリッドワークショップを開催し、谷崎泰明・理事長が開会挨拶を行いました。
今回は、日本で初めて開催されたGCTFワークショップであり、13カ国・1機関からの参加者を含む45名が対面形式で参加したほか、71名がオンラインで参加し、各国・地域の専門家がそれぞれの知見・経験を共有し、大変有意義なワークショップとなりました。
当協会は、「法の支配に基づく持続可能な海洋」の構築、そして、GCTFの枠組みにおける協力の発展のために引き続き協力してまいります。
以下、谷崎理事長挨拶
ご来場の皆様、オンラインで参加されている皆様、こんにちは。公益財団法人日本台湾交流協会理事長の谷崎泰明です。本日、ご参加の皆様とともに、日本で初めて「グローバル協力訓練枠組み」、GCTFワークショップを開催できますことに、非常に大きな喜びを感じております。
皆様ご承知のとおり、GCTFは、2015年に米台間で立ち上げられた人材育成の枠組みであり、これまで、公衆衛生や環境問題など、地域の共通課題となっている分野について、各種セミナーやワークショップを通じて交流と協力を深めてまいりました。
当協会といたしましては、このGCTFが、自由、民主という共通の価値観を有する台湾との交流や実務協力を進める上で大変効果的に機能しているとの考えから、2019年3月からワークショップやセミナーの共催を開始し、協力を強化してまいりました。 以降、これまでに、実に約30回にわたりワークショップやセミナーを共催してまいりましたが、当協会としては、GCTFの更なる発展のために協力を深めるとの観点から、今次ワークショップの東京開催を決定し、準備を進めてまいりました。
また、本日は、「法の支配に基づく持続可能な海洋」をテーマとし、各国・地域からお招きした専門家の方々の知見を御紹介いただきます。法の支配に基づく自由で開かれた持続可能な海洋秩序と海上安全は、地域の海洋、及び海洋資源の持続可能な開発、管理、利用に資するものです。
特に我が国は、地域における、法の支配に基づく自由で開かれた秩序を実現し、地域全体、ひいては世界の平和と繁栄を確保していくことが重要であるとの観点から、2016年8月、ケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)において、当時の安倍総理大臣が「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を対外発表いたしました。以降、考え方を共有する国や地域とも協力しつつ、海洋秩序に関する政策発信や知見の国際社会との共有、機材供与、専門家派遣や研修による人材育成などを通じた海上法執行能力の構築支援等の取組を積極的に推進し 、知見を深め、経験を蓄積してまいりました。本日は、こうした分野において我が国を代表する専門家も参加いたしますが、本日の取組を通して各国・地域の知見や経験を共有することで、地域の海洋分野における協力が一段と深まることを確信しております。
本年は、日台友情の歴史においても大変意義深い一年です。今から遡ること50年前、1972年12月、日台間の交流を深める我々の協会が、東京と台北で設立されました。両協会設立50年を迎える本年、GCTFワークショップを初めて日本で開催することは、日台協力の歴史の新た な1ページをめくる、非常に象徴的な出来事と言えるでしょう。この場をお借りして、本日のワークショップ開催にあたり、お力添えをいただきました関係者の皆様方、並びに本日のワークショップに国内外から駆けつけていただいた参加者の皆様に、心からの御礼を申し上げます。
最後に、本日のワークショップが、ご来場・ご参加の皆様にとって大変有意義なものとなること、そして、本日のワークショップを契機として、GCTFの枠組みによる協力が更なる発展を遂げるようよう祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。