中央銀行は7月24日、最新のマネーサプライを発表した。それによると、6月のM1aの対前年比伸び率(期中平均ベース)は+6.81%となった。M1bの対前年比伸び率は5月の+6.18%から+6.09%に下降した。M2の対前年比伸び率も5月の+6.81%から+6.53%に下降したものの、依然として中央銀行の目標レンジ(2.5%~6.5%)を上回った。M1bの伸び率がM2の伸び率を下回る「デッドクロス」が4ヶ月連続してきた。両者の差は0.44ポイントに縮小したものの、ゴールデンクロス(M1bの伸び率がM2の伸び率を上回る)に逆転できなかった。
今年上半期のM2の対前年比伸び率は+6.47%と目標レンジ範囲内にある。中央銀行の官員は、「当面の市場資金が依然として潤沢であるが、外資の流出(純流出額22.45億米ドル)や銀行の貸出及び投資の伸び悩みなどがM1bの対前年比伸び率、M2の対前年比伸び率の下降をもたらした。外資の流出が持続すれば、7月のM2の対前年比伸び率は目標レンジ範囲内に戻る可能性は有る」との見方を示した。
中央銀行の官員は、「法人の資金調達が非常に円滑であり、、M1b及びM2対前年比伸び率からなるデッドクロス或いはゴールデンクロは株式市場動向を図る意味は以前ほど重要ではない」と強調しているものの、「今年の1~5月において外資は大量に株式市場に流入してきたが、6月に大量に流出したにもかかわらずゴールデンクロスに逆転できなかったことは、投資家の市場に対するマインドが低下していることを一定程度示す指標であることを示している」と指摘した。
6月の外貨預金は前月比1,000億元ほど減少の4.47兆元と4ヶ月連続の増加に終止符を打った。これに対し、中央銀行の官員は、「これは、主に企業が株配当のために資金を引き出したためである。6月22日までに統計された7月、8月ピーク時の上場・店頭会社による現金配当額はそれぞれ3,207億元、4,315億元に達し、昨年同期を上回った」と述べた。
6月の外国人による台湾元建て預金残高は1,812億元とここ17ヶ月以来の最低となった。これは主にギリシャ債務危機深刻化の影響を受けたためであった。また、6月の株価指数が400ポイントの下落となったことから、投資家動向を示す証券振替決済預金残高は、前月比284億元減少の1.4兆元と2ヶ月連続の減少となった。
(註)
*M1a:通貨発行額。企業・個人(非営利団体含む)の小切手預金および非定期性預金残高の総額。
*M1b:M1aに個人の非定期性積立預金残高を加えたもの。
*M2:M1bに企業・個人の定期性預金残高、外貨預金、外国人による台湾元建て預金残高などを加えたもの。
金融動向表[PDFファイル] [55KB]